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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 1

今回はニャニャ、リリィ、レオ、すみれたちの主観が入れ替わり立ち替わりしながら進みます。

朝ににゃんこと触れ合い、昼ににゃんこを捕まえ、夕方にはにゃんこをもふもふします。

癒し成分がある反面、レオたち騎士団員たちは魔剣の性能を確かめるべく、ダンジョンへ登ってシーサーペントを倒しに行く。そこで当然のようにクロがいらんことをし、このまま問題児を異世界に送り出すことに心配を募らせる暁が荒療治に出る。

クロにハティをぶつけて勝利し、ハティの言うことをクロに聞かせる。

ハティは異世界を自由に移動できるほどの実力の持ち主。彼女はどんな戦い方をしてクロに勝つのでしょうか?



以下、主観【ニャニャ・ニェレイ】

 一面に広がる青い海。

 無限を思わせる青い空。

 早朝の冷たい潮風が鼻を抜ける。

 ここは異世界、メリアローザ。ギルド・ドラゴンテイルの南に位置する漁師町。

 早朝、彼らは錨を上げて大海原へと漁へ出た。日の出とともに岸へ戻り、ようやく朝食を食べてまたすぐ船に帆を張る。

 今日は猟師飯を出すという【猫飯屋】で朝食です。なにを隠そう、わたくしことニャニャ・ニェレイは大の猫好き。一日中だってにゃんこをにゃんにゃんしてられるほどです。


 猫飯屋の名前の由来は猟師が食べた魚に群がる猫たちにある。

 漁師たちが野良猫たちに魚を恵んでしまったことから、海岸付近に野良猫が集まるようになった。今では数百以上のにゃんこたちが集まり、ご飯を分けてもらってはメリアローザに出没する害虫やネズミなどの害獣を退治する職に就いている。

 ここにくれば、いくらでもにゃんこたちをもふもふし放題。

 バストさんの加護のおかげで安心して野良にゃんこをもふもふできる。

 リリィもローザもにゃんこをもふもふできて幸せそう。

 シェリーさんに限っては、プリマちゃんが嫉妬して野良にゃんこをもふもふさせまいと必死に抵抗した。だがそこがかわいいっ!


 今日は有志を集め、猫飯屋の外で囲炉裏を組み、網を敷き、長椅子で火を囲んでの朝食です。朝は寒いのでぬっくぬくのコートとマフラーで武装。さらに野良猫を呼び寄せて膝の上でにゃんにゃんする。にゃんこのぬくもりと柔らかな手触りが心を温かくする。

 あぁ~~~~、幸せっ!


「ふふふのふ♪ ピウスだってもふもふ加減では負けてませんよ?」


 姫様がこれみよがしに巨大なケルベロスに抱きついて頬ずりを繰り出した。もふもふは好きだが、ニャニャはもふもふ抱きつくより手のひらでにゃんにゃん撫でたい派なので羨ましくはありません。

 ほんとですよ?

 でも姫様のご機嫌はとっておこうと思います。


「ピウスももっふもふであったかそうです。本当に素敵な家族を見つけられたです。ニャニャも早くにゃんこを飼いたいです」

「ニャニャさんはにゃんこ好きなのに、にゃんこを飼われてないんですか?」

「生き物を飼うということは責任がつきまとうです。完璧な環境を整えてからでなくてはならないです!」

「なるほど。素晴らしい心がけです。たしかご友人のフィアナさんは精霊学を研究されてましたよね。猫型の精霊を使い魔にする考えはあるのですか?」

「できたらよいですが、そこは運次第なのでなんとも言えないです。でもにゃんこを使い魔にしたいです」

「そうですか。にゃんこの使い魔は人気がありますから、契約のおりにはぜひとも見せてほしいです」

「もちろんですっ! その時はぜひとももふもふしてあげてほしいです!」

「ありがとうございます♪」


 素敵な青写真を描きながら手の中に感じるにゃんこのもふもふ加減を確かめる。あたたかくてふさふさ。あぁ、なんて幸せな時間なのだろう。

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