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異世界旅行2-4 世界は驚きの宝箱 38

 通りすがりに煽ってくれたペーシェの手を引いて隣に座らせる。

 ドラゴンの肉がおいしかった。どういうことか説明してもらおうじゃないか。


「前に異世界旅行した時に食べさせてもらったんですよ。暁さんのご厚意で」

「ウッ……ウラヤマシイ…………ッ!」

「そんなこと言われても……」


 どうしようもない怒りをぶつける大人げない大人だという自覚はある。だが、羨ましくて涙が出てきそうなんだ。

 この気持ち、どうやって抑えればいいんだ!


「ところで、ペーシェとローザとシルヴァは明日もメリアローザに滞在するんだよね?」

「ええ、なんとか都合をつけられたので、みなさんと同じ日に帰ろうと思ってます。というわけで、暁さん、よろしくお願いしますっ!」

「構わないよ。できれば最終日にもフェアリーたちにタルトタタンを焼いてあげてほしい。月下なんてペーシェのタルトタタンが好きすぎて、ずっとタルトタタンの鼻歌を歌ってるくらいだからな」

「ひゃあ~~~~♪ いくらでも作ってあげちゃいますよっ! それとは別に、ラムさんたちはドラゴンに乗って空を飛んだんですよね? それこそ羨ましいんですけど!」

「いいでしょ~♪ でも明日、アルマとベレッタがドラゴンライドの練習をするって言ってたから、もしかしたら乗せてくれるかもよ?」

「マジすか! 聞いてみます!」


 ドラゴンに乗って空を満喫する。それもまた贅沢。うまいこと切り出されてペーシェに逃げられた気もするが、まぁいいとしましょう。

 逃げたと思ったらアルマがペーシェを連れてやってきた。


「暁さん、ペーシェさんがドラゴンに乗りたいってことなんですけど、乗せてもいいですか?」

「落っこちないならいいよ。ローザとシルヴァも乗るの?」

「いえ、二人は棄権するそうです。もったいない」

「残念だが仕方ない。その分、ペーシェが楽しんでくれ。グレンツェンにドラゴンが渡るとはいえ、おいそれと空を堪能することはできないみたいだからな」

「ふふふのふ♪ それでは、ペーシェさんにはドラゴンがいかに力強くかっこよく優雅で荘厳かを体で体験してもらいましょう♪」

「嫌な予感しかしねえッ!」

「ふふふのふのふのふふふのふ♪ 普段からクールなペーシェさんの叫び声を聞かせていただきましょう!」


 アルマがわっるい顔してペーシェを流し目で見る。急降下と空中地獄車の連続を考えてる顔だ。

 アルマの言葉にペーシェは顔を真っ青にした。顔を真っ青にしたペーシェを見たローザがいつの間にか話しの輪の中に入った。


「ペーシェが顔真っ青にして、ドラゴンライドでゲロ吐く顔がみたいから、やっぱりわたしも行こうかな」

「動機がゲス女!」

「ローザもローザだが、ペーシェも大概、ひどい物言いだな……」

「「そんなことありませんっ!」」


 私のうっかり呟きに、ローザとペーシェの言葉が重なった。仲良しなのか、仲が悪いのか、よくわからんなぁ……。

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