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異世界旅行2-4 世界は驚きの宝箱 27

 時は進んで秋の月が夜空に浮かぶ頃、宴に参加せんと、ギルド【胡蝶の夢】の食堂・秋風亭へと足を運んだ。

 伝統的な木造建築。テーブル席にくわえて、十数人で食を囲むことのできる掘り炬燵がある。今日は異世界渡航組みと紅葉狩り先導組みで宴会だ。右にすみれ。左にベレッタが座る。正面には秋紅もみじ。基本、4人1組みで鍋を囲み、もみじたちが我々3人を面倒を見てくれることになった。

 席につくなり気さくな少女が挨拶をする。


「こんばんは。メリアローザを楽しんでますか?」


 全身全霊全力全開でメリアローザとエルドラドを満喫するすみれが前のめりになって答えた。


「それはもう楽しみがいっぱいでわっくわくです! まだまだ堪能したりないくらいですっ! 山は実りに満ちていて、メリアローザもエルドラドも宝箱だらけですっ!」

「それはよかった。すみれさえよかったらメリアローザに引っ越してくるといいよ。秋もそうだけど、冬も春も夏も、おいしいものがいっぱいだよ♪」

「ありがたいお申し出です。でも、私はまだなにができるのか分からなくて、ひとまずはそれを見つけようと思ってます。それに意中の人との出会いもありましたから」

「恋バナ! 詳しくっ!」


 食いつきがすごい!

 恋バナが好きなのは外国も異世界も関係ないんだなぁ……。

 それはともかく、この子、しれっとすみれを移住させようとしたな。要注意人物に認定します。


 対してベレッタはお疲れ模様。慣れない山登りで疲労がたまったのかな?


「ベレッタ、大丈夫? なんか震えてるけど」

「あ、いえ、今更ならが、フェアリーのかわいさに感動してしまって。おいしそうにスイーツを食べる姿なんて、見てるだけで幸せで~~~~っ!」

「わかる~~~~っ! ちょ~かわいいよね~~~~っ!」


 思い出しただけで心が震える。

 くるくると表情を変えて世界を祝福するフェアリーたちの笑顔たるやマジフェアリ―!

 こっちが移住したくなるわっ!


「はぁ……旅行が終わったらフェアリーとお別れか。異世界の存在を公にできないから、撮影した写真も公開できない。みんなに自慢したーい!」

「分かります。そのためにも、我々もヘラさんと暁さんが計画する異世界間交流のお手伝いをしましょう。暁さん、わたしたちになにかできることはありますか?」


 もみじの隣に座る暁にベレッタが懇願する。一日でも、一分一秒でも早く異世界間交流を始めたい。なにかできないか。どうにかできないか。できることがあるならなんでもやるぞ。

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