異世界旅行2-4 世界は驚きの宝箱 23
ふふん、と鼻を鳴らすペーシェは焼き芋を真横に切ってフェアリーたちに説明を始めた。
「まずは焼き芋を真横に切ります。真横に切ったら、あつあつほくほくのお芋をフォークで簡単に耕します」
「「「「「おぉ~!」」」」」
「中身を少しくりぬいて、用意しておいたプリンに混ぜてから、くりぬいた窪みに戻します」
「「「「「おぉ~~!」」」」」
「砂糖をたっぷりまぶして、炎の魔法で炙って焦がしちゃう♪」
「「「「おぉ~~~!」」」」」
「はい、香ばしい焼き芋ブリュレの出来上がりっ!」
「「「「おぉ~~~~~~!」」」」」
「できたてもおいしいけど、冷ましてカチカチにした焼き芋ブリュレもおいしいよ。半分は明日のお楽しみにとっておこう」
「「「「おぉ~~~~~~~~~~~~!」」」」」
「「「それではみんな、召し上がれ♪」」」
「「「「「ご、ごくりっ!」」」」」
フェアリーが固唾を飲む。初体験のスイーツにわくわくとどきどきが止まらない。
きらきらと輝くブリュレを目の前に、スプーンをさっくりと入れて掬い上げる。ふつふつと沸き立つカラメルと、柔らかなプリン&焼き芋。しっとりほくほくの焼き芋を乗せて、実食!
「「「「「ぱくり。もぐもぐ。はふはふっ。おぉ~いしぃ~~~~~~!」」」」」
「「「いえ~い♪」」」
フェアリーは歓喜し、焼き芋ブリュレを作った三人はハイタッチ。
あまりにおいしい焼き芋ブリュレの虜になった月下のスプーンが止まらない。カラメルだけを食べてみたり、プリンの部分だけを咀嚼してみたり、いろんな食べ方を試して笑顔を作る。
あまりのおいしさに感動に打ち震える姿、マジフェアリー!
驚きと喜びの混じった表情を浮かべ、月下はパティシエに告げる。
「ただでさえおいしい焼き芋が、もっともっとおいしくなっちゃうなんて…………もしかして、ペーシェとローザとシルヴァは天才なの!?」
「「「どやぁっ!」」」
「みんな大好きですっ!」
嬉しさのあまり、月下はペーシェたちのほっぺためがけて飛んでいく。感謝を伝えるために、ほかのフェアリーたちも彼女たちの周囲をくるくる回って喜びを表現した。
なんて素敵な空間なんだ。記念写真を撮ろう。永久保存待ったなし!
彼女たちの幸せそうな姿を見て、私の食欲が大爆発。
「私も焼き芋ブリュレ食べたい! 材料ってまだある?」
「たくさん用意してますよ。みんなで食べましょう。タルトタタンとクッキーもあります。紅茶を淹れますので、テーブルの準備をお願いしてもよろしいですか?」
「もちろん♪ 今日は少し人数が多いから、外でティーパーティーしようって話しをしてたところなの。だからちょっと時間かかるかも」
「わかりました。じっくり丁寧に作りますね♪」
シルヴァに紅茶をお願いして、我々はテーブルメイクをいたしましょう。
フェアリーとリィリィちゃんたちちびっ子たちには焼き芋ブリュレを作ってもらおうかな。
「リィリィも焼き芋ブリュレを作りたいっ! エディデイお姉ちゃんに作ってあげたいっ!」
「素敵な真心だね。それじゃ、わたしと一緒に作ってみよう。キキちゃんとヤヤちゃんも一緒に作ろ♪」
「やったー! よろしくお願いしますっ!」
「ぜひともです。あ、手元に板チョコがあるので、これも溶かしてみましょう!」
「いいね♪ いろいろトッピングしちゃおう!」
「「「「「「「「おーっ!」」」」」」」」
頑張る子供たちの姿が眩しい!
シルヴァは紅茶。クッキーを焼き終わったローザは焼き芋ブリュレ。ペーシェは引き続き、自慢のタルトタタン作りに集中する。
大人たちはテーブルメイクのために外へ椅子とテーブルを出そう。




