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異世界旅行2-4 世界は驚きの宝箱 11

 天上の声が聞こえたと思ったら、あっという間に空に暗雲が立ち込め、一分もしないうちに大地に雨が叩きつけられた。

 三分かからず火の手は消え、夢でも見ていたのではないかと疑うような静けさが横たわる。


 舞い降りた天女に喝采!


「うぉおおおおおおおおおおおおッ! ベレッタさんありがとうございますううううううううううううううう!」


 アルマ大号泣。

 ベレッタに抱きついて謝罪を叫ぶ。


「大丈夫。もう大丈夫だよ。全部まぁるく収まったから。だから泣き止んで、お昼ご飯にしよう」

「うぅ……ベレッタさん……ほんとうにありがとうございます!」


 続いて暁がベレッタに言葉を贈る。


「ベレッタ、本当にありがとう。おかげで森が焼けずにすんだよ。トリュフ、だったかな。めいいっぱい楽しんでほしい」

「そ、そんな。当然のことをしたまでですよ。それにしてもドラゴンは本当にすごいですね。ホワイトドラゴンがいなくては消火は難しかったと思います。ユノさんにも感謝です。気象学のことを聞いてなかったら、ホワイトドラゴンが気圧を操作できるとしても、ここまで大きな雨雲は作れなかったと思います」

「そうかそうか。ベレッタも日々精進してるんだな。それでは、ドラゴンのお披露目もすんだことだし、ラ・ミストルティンでランチにするといい。午後からは紅葉狩りだろう? 存分に楽しんで行ってくれ」

「ありがとうございますっ!」


 暁はベレッタを褒め、アルマへのフォローも忘れない。


「アルマ、今回のは事故みたいなもんだ。あまり気にするなよ?」

「うぅうううううううう。延焼のことも考えずに調子に乗って全力火力を出したアルマのせいです。ごめんなさい……」

「それだけ分かってるならいいんだ。これから気を付けよう。さぁ、そろそろダンジョンを出ようか」


 暁に諭されたアルマは頭をぽんぽんと撫でられてまんざらでもない様子。

 気分を切り替えて、ラ・ミストルティンへと踊りだす。


 ♪ ♪ ♪


 ラ・ミストルティン。

 内装の雰囲気はヘイターハーゼに似て伝統と格式を感じる作り。

 ディナーショーが開催されるとあって、大人の社交場を思わせる内装はどこか居心地がいい。

 ちょっとうちのバルと似てるかも。

 瓶詰にされた食材がずらりと壁に並ぶ。

 照明は明るくも、ひな壇状のレストランは全体的に暗色多めで落ち着いた色合い。

 音響を考えて余計な装飾は一切ない。

 オーナーのこだわりを随所に感じる。


 テーブルを同じくするのはフェアリーたちと、すみれ、セチア、インヴィディアさん、暁と入れ替わりでやってきたロリム・シャイコース。

 卓を囲ってさっそく、すみれと一緒に厨房へ向かう。


「今日のランチはトリュフと秋野菜を使ったボロネーゼ、アウトゥンノ・ピッツァ。かぼちゃのポタージュスープの三種。このうち前者二つにトリュフを使うよ」

「想像しただけでよだれがじゅるり」


 すみれは今にもトリュフをかじりそうな勢いだ。

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