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異世界旅行2-4 世界は驚きの宝箱 2

 討伐難度最高クラスのドラゴン。

 お肉のおいしさもドラゴン級。

 となれば、おいそれと食べられるはずがない。

 おいそれと食べられるはずがないお肉を、すみれは食べたというのか。

 どうやって?


「すみれはどういう経緯でドラゴンの肉を食べたの?」

「暁さんのご厚意でいただきました。特別に取り置きしてくださったんです」

「ぐっ、ぐぬぅっ…………」


 特別の厚意では仕方ない。

 いくらギルドマスターとはいえドラゴンの肉はなかなか手に入らない貴重品らしい。そりゃそうだろうけど。

 仕方ない。お肉のことは仕方ない。来年分を取り置きしておいてもらうことにして、今はドラゴンライドに挑戦しよう。


 赤い龍と白い龍。

 赤い龍は筋肉質。鱗が装甲のように頑強そう。いかにもファンタジーに出てくるドラゴンって印象。

 白い龍はしなやかで美しい。防御力より素早さと一撃必殺に特化したドラゴンって感じ。

 どちらも個性的で素晴らしい。


 持ち主であるヘラさんは早く背中に乗りたくて仕方ない様子。

 子供のようにぴょんぴょんと飛び跳ねてわくわくが暴走しそうだ。


「これ、触れて魔力を流すとドラゴンを動かせるのね。さっそく乗ってみたいわ。暁ちゃんも一緒にどう?」

「ぜひともお供させてください。ドラゴンはおろか、馬にも乗ったことがないので」


 暁は動物に忌避される体質。だから移動は基本的に徒歩。仲間が馬車に乗っていても徒歩で移動してきたという。不憫すぎる。

 ドラゴンに触れて体をしゃがませて、背中に乗れるように態勢を整える。ヘラさんと暁が騎乗すると、ドラゴンが起き上がってゆっくりと前へ進んだ。


「「「「「おおーーーーっ!」」」」」


 ドラゴンが歩くだけで歓声が上がる。

 威厳ある姿を見上げるだけで圧倒された。

 これがドラゴン。全長50メートルはあろう巨体がのっしのっしと大地を踏みしめる。

 めっちゃ楽しそう!

 乗って歩くだけでわくわくするのに、これで空を飛ぼうものならテンション上げすぎて墜落してしまうかもしれない。


 ひとまずはモンスターカーレースで妨害要員として活躍するアルマとベレッタに操縦に慣れてもらい、そのあとに一緒に乗せてもらう手筈なので、我々はしばしの休憩という名の写真撮影をする。


 世界的ロックスターの撮影会が如きシャッター音が響き渡った。

 ダンジョンの中はモンスターもおらず、風のさざめきと小鳥の鳴き声しかない。牧歌的な景色にドラゴンの足音とシャッター音だけが響き渡る。

 なんという違和感。これが異世界間ギャップ!


「絶対違うと思うけど。だがそれもまたグッドライフ!」


 シャッター音を響かせながらミレナさんの突っ込みが炸裂した。

 たしかにそうだ。なにはともあれグッドライフ!


 どしんどしんと地鳴りを作るたびに小さなフェアリーたちが大きくうなる。


「うぉおっ! うぉおっ! うぉおおおおおっ! でっかーいっ! おっきいーっ! そーびーっぐ!」


 両手をバンザイして全身全力で雄たけびを上げるフェアリーマジかわいい(フェアリー)

 よし、彼女たちの横顔も撮影しておこう。

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