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異世界旅行2-3 待ちわびた時は眩しくて、遂に出会えて嬉しくて 53

 露天風呂に肩までつけて空を見上げる。

 ぼーっとするのは疲れのせいではない。マインドフルネスだ。決して、『あんなに苦労してカトブレパスを討伐する必要なかったんじゃね?』とか思ってない。思ってないよー?


「シェーリーイーさーん! 熱燗と温泉卵を用意しました。ぜひともお酌させてください」

「キキ、ヤヤ、ありがとう。ぜひとも一献、もらうとしよう」


 お猪口を受け取って土瓶から注いでもらう。きゅっと一杯吞み込んで、温泉卵をつるり。

 うまいっ!


「あぁ~~っ! 毎度のことだがこれはたまらないな。わざわざ持ってきてくれてありがとう」

「おいしそうに飲んでくれて、キキも嬉しいです。シェリーさんたちは明日、ドラゴンに乗って空を飛ぶんですよね。キキたちも行っていいかな?」

「もちろんだとも。一緒に空を飛びに行こう。ヤヤもドラゴンに興味あるよな?」

「もちろんです。ドラゴンに乗ってお空の散歩だなんて夢のようです。明日がとても待ち遠しいです」

「そうだな。明日のわくわくが楽しみだ。そうと決まればぐっすり寝て、明日に備えないとな」

「「はいっ!」」


 元気な返事をすると、明日のわくわくのためにそろそろ寝ると言って去ってしまった。

 入れ替わるようにバストと桶に湯を張ってくつろぐプリマが隣に座る。


「あの双子、シェリーが来るまで風呂で待っておったようだぞ? ほかの者にも同じことを聞いて回っておったわ。よほどドラゴンに乗って空を飛んでみたいのだろうな」

「好奇心旺盛なことはいいことだ。それに経験はなにものにも勝る宝になる。それに、ドラゴンに乗るだなんて本当に夢のような経験だからな。私も楽しみで仕方ないよ。バストも行くだろう」

「無論、シェリーについて行こう。しかしドラゴンに乗るかどうかは別の話しになるな。飛行機は室内だったからよかったが、ドラゴンの背中に乗るということはモロに風の抵抗を受けるのだろう。それはかなり抵抗があるな」

「たしかに無防備で風の抵抗を受けるのは嫌だな。魔法で障壁を作るか、なにか対策を考えておいたほうがいいかもしれない」


 明日のことに思いをめぐらせながら愛らしいプリマのリラックス顔をのぞく。

 すっかりお風呂に慣れたプリマは湯を張った桶の中で至福の時間を満喫する。

 目を細め、ゆったりとする家族の表情を見ると癒される。

 お風呂から上がったら温風魔法をかけてブラッシングをして毛並みをもっふもふにしてあげるのだ。

 そして甘え声のプリマが私の腕の中で幸せに身をよじるのだ。

 あぁ~なんて素晴らしいことだろう!

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