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異世界旅行2-3 待ちわびた時は眩しくて、遂に出会えて嬉しくて 35

 インヴィディアさんの小悪魔スマイルを見た暁は背中から倒れて空を仰いだ。数秒して腹筋だけで起き上がった暁の顔は諦めの境地にいた。


「そういえば、『お姫様たちのしたいように、できうる限り協力する』って言いましたね。まさかこれを見越してのことだったとは……」

「後出しになるんだけど、今日の最後には暁ちゃんに相談するつもりだったの。おっきな犬さんをメリアローザに連れてきたら、ダンジョンに入ったことが一発でバレるから♪」

「インヴィディアさんのことですから、あとでこっそり耳打ちしてくれる予定だったんだろうとは思ってましたが、まさかダンジョンに行ってたとは。ですがウララの占いであれば仕方ありません」


 仕方ないのか!?

 どんだけウララの占いに信用を置いてるんだ!?

 暁はため息をひとつついて姫様を窘める。


「そうであれば、それこそ相談して欲しかったです」

「ごめんなさいね。でも姫様属性的に自由に行動させておかないと、あとで爆発するだろうと思ったから」

「では仕方ありませんね」


 暁は無意識にリリス姫を見てそう言った。


「ちょっとなんで私を見るんですかッ!?」

「すみません。心当たりがあったもので」

「でしょうねっ!」


 この姫様も相当な暴れん坊という話し。

 仲が良いのはいいことだけど、この二人の化学反応は危険すぎる。

 できるだけ引き離しておかなくてはならない。

 引き離し計画は後で考えるとして、今は話しを戻そう。


「それで、ウララの占いでダンジョンに来てケルベロスに会いに来たのは分かりました。そのあとはどうしたんですか? できれば、姫様の口からお聞きしたい」


 そう言うとインヴィディアさんは身を引いてシャルロッテ姫様に目配せをした。

 彼女たちなら信じてくれる。そんなアイコンタクトだ。


「えっと……、信じて貰えるかどうか分かりませんが。実はわたくし、ケルベロス、もといピウスとお話ししたんです」

「モンスターと会話? 意思疎通ということですか?」


 それはさすがに信じられないんですけど。

 三つも頭があれば神通力が使えるのか?

 我々の疑問を解きほぐそうと、リリス姫とインヴィディアさんがシャルロッテ姫様の援護に回る。


「私も聞きました。直接頭に語り掛けてくるような感覚でした!」

「すぐ下の洞窟にいるのでみんなで会いに行きましょう。彼はずっとひとりぼっちだったそうですから、友達が増えると嬉しいと思いますよ?」

「そ、そうでしょうか……でもまぁ、インヴィディアさんがそうおっしゃるなら。フェアリーたちとも友達のようですし」


 姫様の護衛として最大の関心事はケルベロスの危険性。それが解消されたのなら止める理由はない。

 というか、止めたところで止まるはずがない。

 インヴィディアさんもそれを分かっての行動らしい。


「そうと分かれば、まずは自分たちの目で確かめたいところです。ティーパーティーの途中ですが、私はことの真実を確かめたいと思います」


 そう言って姫様を見ると、彼女は満面の笑みを咲かせて共感を露わにした。


「もぉ~う♪ シェリーさんもピウスをもふもふしたいならそうおっしゃって下さればよろしいのに♪」

「誰もそんなことは言ってませんが?」


 もふもふできるなら、もふもふしてみたいけどもっ!

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