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異世界旅行2-3 待ちわびた時は眩しくて、遂に出会えて嬉しくて 4

「アンチクロスさんと桜ちゃんはどちらがお強いのですか?」


 なるほど。より強い人に護衛を頼みたいと言って桜ちゃんを引き離すのですね!


「俺と桜か。まだ決着が着いてねえ。昨日はサンジェルマンにも、レオにも負けた。まだまだ強くならねえと……」

「素晴らしい向上心です! そんなアンチクロスさんのことを応援したくて、ひとつ提案があるんです!」

「提案!?」


 リリスさんの言葉にアンチクロスさんがものすごく食いついた。すごい切り口から入っていった。強くなるならなんでもする。アンチクロスさんの性格を把握したうえで手のひらで転がす。

 これが先輩お姫様のやり方。勉強になりますっ!

 リリスさんは自信満々に腕を組んでみせた。


「強くなる。それはつまり、『出会い』ですっ!」

「出会い!?」


 出会いの数だけ強くなる!

 なんかどっかで聞いたことある気がする!


「アンチクロスさんはレオさんと結婚することで強くなります。それはつまり出会い! 負けを知って強くなる。それも出会いあってのことです! 誰かに教えを乞い、強くなる。これすなわち出会いです!」


 言ってることは正しいけど、ちょっと強引すぎません!?


「なるほど。一理あるな」


 納得した!


「そういうわけで、いろんな人と関わりを持つべきだと思います。そういうわけで、しばらく一緒にいませんか? 我々の護衛ということで」


 私たちと関わったところで修行とかしないから強くなれませんけど!?


「よし、分かった」


 納得した!?


「ちょっと待ってください!」


 横から桜ちゃんが入ってきた!

 護衛の任務を請け負った桜ちゃんを差し置いて話しを進めたから怒ったのかな?

 そりゃそうだよね。最初に桜ちゃんに相談という名の説得をするのが筋だった。

 理論武装で殴られるっ。

 と、思ったら……。


「実は、私情で申し訳ないのですが、御二方の護衛を外れたいのです」


 奇跡的僥倖!

 これで桜ちゃんが護衛から外れる!

 自由に行動できる!

 善は急げ。暁さんに事情を説明して護衛チェンジだ!


「護衛を外れるのは構わないよ。スカサハからも相談されてたからな。でも護衛にクロをつけるのはダメだ。シェリーさんたちと相談したんだが、今日はクロを連れて騎士団長たちにダンジョンへ登ってモンスター討伐をしてもらうことになった。レオさんへのダメ押しも兼ねて」

「え!? ダンジョンに入るんですか?」


 桜ちゃんが護衛から外れるのは計画通り。

 しかしアンチクロスさんが護衛に就かないのは計算外。

 しかも騎士団長たちがダンジョンへ入る?

 話しでは、暁さんは客人を危険な目に遭わせるようなことはしない。どういういきさつでダンジョンへ入ることになったのだろう。

 まずはそこから話しを進め、最後に誰を護衛に就けるかの相談へ移ろう。誰を護衛にすれば、こっそりとダンジョンへ入らせてくれそうかを考察しよう。

 いわゆる時間稼ぎというやつです。

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