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異世界旅行2-2 水晶のように煌めく時を 44

 暁くんは淡々と絶望を口にする。


「さらに言えば、次は絶対にライラさんに勝つということで、すみれが応援してます。彼女にも料理を教えてもらうそうです。レオさんの料理レベルがどの程度かは存じ上げませんが、勝つ見込みが限りなくゼロに近いかと」

「…………………」


 絶望ッ!

 相手側にすみれくんがいるだなんて、料理勝負を挑むなんて無謀ッ!


「…………………嫁の料理がおいしいなんて最高だぜっ!」


 レオくん、ナイスポジティブ!

 しかし、現実は非情也!

 ここからみんなで頭を回す。


「魔法のみで勝負するのはどうです? レオさんになら魔法に一日の長があると思うです (ニャニャ)」

「クロはアルマや陽介さんに魔法の指南をしてもらってる。魔力量も練度も怪物級だ。さすがに魔法職専門の陽介さんやアルマには及ばんが、それでも近接戦闘職にあるまじき魔法の使い手だ。レオさん、頑張ってください (暁)」

「…………俺は魔銃と、属性系魔法の初級、中級と、ほとんどの補助魔法が使える。クロちゃんはどんな魔法が使えるの? (レオ)」

「俺は魔法全般だ (クロ)」

「全……般………… (レオ)」

「クロさんは凄いんですよっ! 四属性にくわえ、闇も光魔法も補助魔法もなんでも使いこなせるんです! 初級から中級、上級魔法もなんでもです! 複数同時発動も、複合魔法も、ウェポンスキルも達人の域なんです! (アルマ)」

「魔法の話しとあらば神出鬼没だな (シェリー)」

「光属性の魔法!? それってどういうことですか!? (リリィ)」

「あ、そう言えば、ベルン側の世界には闇とか光の魔法の考え方がないんだったっけ? 概ね、治癒系魔法が光属性。精神操作系は闇属性魔法。あと影とか闇とか使うよ。闇属性優位の魔力持ちの人は魔法適正激高な傾向があるから、他属性の魔法も余裕で使える。その点は超羨ましいッ! (アルマ)」

「魔法も戦闘も料理もダメとなると、レオくんが彼女に勝てる要素がないな (サンジェルマン)」

「いや、俺にだってなにか……あるはず………… (レオ)」

「レオさんがクロに対して優位を取れるなにがしかあれば……体力勝負をするなら、体力オバケのクロが珍しく満身創痍の今の内じゃないと。それでいてクロが積極的に勝負をする理由も必要。疑問を抱く余地のないそそのかし方…………ッ! (暁)」


 どうやら暁くんがなにかを閃いたようだ。顔色を見る限り、あんまり人にすすめるようなことじゃないけど、状況的に仕方ないって雰囲気がぷんぷんする。


 アルマくんが自慢するに、暁くんは商談のおり、相手が不埒な商売相手と見るや否や詭弁方便泣き落とし、なんでも使って脅し倒すそうだ。

 その彼女が閃いた奇策とはいかなものか。僕が聞くより早く、彼女は厨房へ駈け込んでアイシャくんにハーブティーを作らせた。


「こちらは入浴前に飲んでおくと、よりリラックスできる特製ハーブティーです。入浴前後には水分補給をしてくださいね。みなさん、一杯ずつどうぞ♪」


 と言って、アイシャくんはこれから露天風呂を楽しもうとする僕らにハーブティーを渡してくれる。フラウウィードで採取されたものだろうか。ジャスミンティーに似た香りと味だ。

 ひとつ気がかりなのは、レオくんのカップだけは暁くんが運んだということ。無論、女の子から手渡されたものを訝しんで拒否するレオくんではない。味がどんなものだろうと飲むのが彼の性格。


 さて、レオくんに渡したカップの中にはなにが入ってたんだろうね?


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