異世界旅行2-2 水晶のように煌めく時を 19
子供たちを見て、マンモスを見て、仕事に戻ろう。
「ひとまず、暁くんから聞いた話しはエルドラドの一部を観光地として開放すること。それで、我々からはできうる限りの異世界の技術を提供することで、宝石魔法に必要な物資を融通していただきたい」
「それは構わないけど、それは暁経由で…………あぁそうだった。いつかはエルドラドを独立させるんだったか。まったく。暁は本当に…………」
呆れたような、嬉しいような表情を浮かべてバイくんは顔を上げた。
「もちろんだよ。ただ、エルドラドはこれからも流れてくる奴隷を受け入れる。そのための準備として、漁港の整備を急いでるんだ。だから採掘は中止してる。再開の目途が立ってないから、それまでは暁と交渉してくれ。なるべく早く作業を終えられるように尻に火を点けるから」
「まずは食糧の確保と聞いてます。それはそちらの都合で、ペースに合わせて無理なく作業されてください。採掘のほうはさいあく、異世界から採掘団を派遣してこちらで掘り出します。多分、採掘に関しては科学技術を用いたほうが効率よく、かつ安全に作業できますから」
聞くと、採掘は中世から近代にかけて行われるような形式が取られている。
つるはしを持って掘り進み、木枠を組んで導線の安全を確保。トロッコを使って運び出す。
超原始的!
獣人の人々は本能的な危機察知能力が高く、崩落事故が数回あれど、死者はひとりも出ていない。これは暁くんが、『死ぬことだけは許さない』と厳命していることと、作業時間は1日5時間までと制限しているからだ。
そもそも採掘作業は彼らのメインの仕事ではない。彼らが暁くんへの恩返しのために、手っ取り早くお金になる宝石やら鉱石を求めた結果なのだ。
暁くんとしては、まずはエルドラドが自立するための生活基盤の作成が第一。日常生活に鉄製品が必要なのは彼女も理解しているが、まずは衣食住の確保と技術の定着が最優先。
宝石の採掘など蛇足でしかない。それを言うと、彼らの心意気に傷をつけるから絶対に言わないけど。
言葉も語り尽くしてお昼時。山狩りに出かけたエルドラドの獣人たちと、我が妻レーレィ、バル経営者ラム・ラプラス、料理大好き小鳥遊すみれ、我らが姫様シャルロッテ・ベルン、聖アルスノートのお姫様、リリス・エヴァ・アルスノート、護衛の黒髪美少女スカサハと夜咲良桜が戻ってきた。




