表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
698/1088

異世界旅行2-2 水晶のように煌めく時を 13

 ランチが済んでティーパーティーも堪能して、さぁて本題のオーダーメイドウォッチの話し合いといこうじゃないか。

 フェアリーのいる、セチアの工房の庭のガーデンテラスで!


「屋外で商談というのは初めてだが、これほどまでに景色がいいと新鮮でわくわくするな。さて、華恋がオーダーしたギベオンウォッチなんだけど」

「ご、ごくり……!」


 固唾を呑むということは、自分が結構な無茶ぶりをしたことを自覚してるということか。

 なんにしても、華恋が心配するようなことはひとつもない。


「ギベオンをベゼルやムーブメントに加工する分は問題ない。あとはデザインと、自然金についてだね。針と言っても形は千差万別。自然金を乗せるから少し幅を太くするか、根本から針先まで自然金を置くのか、ワンポイントに留めて変化をつけるのか、いろんなデザインとアイデアがあるからね」

「あぁ~~~~……よかったぁ~~~~……」

「断られると思った?」

「断られるのは、いつものことですから。でもどうしても、ステラの時計が欲しくて。でもやっぱり、だからこそ、こだわりたくて!」

「エクセレントッ! そういうところだよ。君を気に入ったのは!」

「ありがとうございますっ!」


 華恋が元気な声で感謝とともに自分の行動を全肯定した。すると、一緒にいるインヴィディアさんが少し引いた。


「華恋ちゃん、貴女の情熱は憧れるけど、控えるところは控えめに、ね?」

「あっ、はい、気をつけます」


 困ったような、楽しいような、インヴィディアさんはそんな表情を見せる。

 華恋は誤魔化すように小さく笑って視線を逸らした。

 この2人、仲いいなぁ。綺麗系美少女と美女が並ぶと絵面強すぎて眩しいわぁ~。


「さて、考える時間はたっぷりある。納得のいくものを選んでくれ。それと、ひとまずうちで作ってるスタンダードな手巻き式と自動巻きを持ってきたよ。シースルーバックだから、裏面を見るとムーブメントが丸見え。多分、華恋はこのタイプが好みなんじゃないかな?」

「シースルーバック! 絶対! 断然! これがいいです!」

「だと思ったよ。基本的にムーブメントの配置はこれの通りなんだけど、それは構わないかな?」

「……………………」


 考え込み始めた。

 これはまたなにかふっかけてくる予兆!


「これ、歯車の一部を水晶にするっていうのは?」

「できないこともないけど、さすがに経年劣化で破損するよ。いくらモース硬度7って言っても」

「ぐ、ぐぬぅ……………………」


 それはさすがに無理だ。見てみたいけど。

 ひとまず、ムーブメントはこちらが用意したものを使うということになった。追加でシースルーバックを採用。裏面をガラス張りにすることで、裏面からもムーブメントの動きを堪能できる贅沢仕様。

 華恋にとってこれほど興奮を誘うアイテムはないだろう。


 あとは自然金を使った針のデザインだけ。

 シンプルに長細いだけのものにするか。なにかのモチーフを象った形にするか。この部分については、製造工程の最後の部分だから時間をかけてもらってかまわない。なんなら9割がた完成したあとに考えても遅くはない。


 一生使いたくなる自分だけの時計。

 それがステラ・フェッロの目指すものだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ