異世界旅行2-2 水晶のように煌めく時を 2
今日はお姫様のテンションと天真爛漫さを上回る子供たちが勢ぞろい。
まだかまだかと手ぐすね引いて、大好きなハティお姉ちゃんに寄りすがる。
彼女も楽しみなようでずっとそわそわしっぱなし。号令をかける暁が現れるのを心待ちにした。
期待はすぐに叶えられる。ちょうど全員が揃ったところで、袴をビシッと着こなした紅暁が現れた。太陽のような明るい笑顔が特徴的な少女。彼女に挨拶されると太陽に照らされたように心が温かくなる。
「おはよう、みんな。朝はフラウウィードで朝食だ。とっておきのスペシャルメニューを用意したから、存分に楽しんでいってくれ」
「「「「「「「「「「やったーっ!」」」」」」」」」」
子供たちからも、大人たちからも感謝の雨が注がれる。
太陽の少女は満足そうに微笑み、先頭をきって扉を開けた。するとそこには昇りゆく太陽と、両手にキャリーバッグをひっさげた猫の獣人、ならぬ猫の神の姿がある。
「バストッ!?」
シェリーが駆け寄って猫の神の肩を掴んだ。
バストはシェリーの家族。その家族が異世界にどうして?
当然の疑問より先に、猫の神のうるんだ瞳が我々の心配を誘った。
「どうした、バスト。なにかあったのか?」
「す、すまぬ……留守を言いつけられたにも関わらず……妾は、妾は…………」
なにか重大な事件でも起きたというのか?
固唾を呑んで彼女の言葉を待つ。
すると、
「寂しくなってシェリーの跡を追いかけてしもうた……」
「なっ……なんだそんなことか…………」
緊張した空気が弛緩していく。安堵のため息が漏れ、シェリーはバストを強く抱きしめて向き直った。
「構わないよ。私こそすまない。バストを1人にしてしまって。家族なんだから、一緒に来るべきだった。来てくれて嬉しいよ」
「シェリー…………っ!」
シェリーの心の温かさに触れたバストは最愛の家族を抱きしめる。
喜び勇むシェリーは暁にバスト滞在の了解を願う。
「暁、すまないがバストがメリアローザに滞在する許可をもらえないだろうか?」
「シェリーさんの家族とあらば是非もありません! めいいっぱい、メリアローザを楽しんで行ってください!」
「暁、恩に着るっ!」
がっしりと抱擁されて暁は大満足。バストも安心したようで表情が柔らかくなる。
シェリーの腕の中にいたプリマもバストに飛びついて頬ずりをする。
羨ましいくらいの家族愛だ。朝からほっこりするエピソードですな。




