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異世界旅行2-1 秋風吹きて夢心地 17

 連れられて、スミレのアロマボトルを手に取った。爽やかな甘い香りのニオイスミレ。言葉を失ってしまうほどにいい香り。

 蜂とともにグレンツェンを象徴する花。修道院では屋上で養蜂をする。花壇にはニオイスミレを植えていて、春になるとものすごくいい香りで満たされるのだ。

 これを束にして花瓶に挿して本堂に置くと、グレンツェンの人たちはみな、春の訪れを感じる。懐かしさと同時に、新しい季節の喜びに微笑む。


 よし。スミレとバラのアロマオイルを使った石鹸を作ろう。バスボムも作ろう。修道院の子供たちのぶんもたくさん作ろう。マルタさんとユノさんの分もいっぱい作って思い出を語ろう。


 意気込んで、シャルロッテ姫様とリリス様も共感した。


「スミレとバラ、いいですね。王道の香料です。ジャスミンと鈴蘭と、ライラックはありますか?」

「もちろんあるよ。でもあんまりたくさん混ぜるとなにがなんだかわからなくなっちゃうから、主役を決めて微調整していこう。シャルロッテはどれが好き?」

「私は、そうですね、ジャスミンを主役に、甘い香りのスミレと鈴蘭でジャスミンの香りを支える形で、土台がバラの香りにしてみたいです」

「それならね、ジャスミンが7割、スミレと鈴蘭を2割、バラを1割くらいにしてみよう。特にバラは黒、緑、赤、ピンク、いろいろあるからいろいろ試してみてね♪」

「全部試しますっ!」


 ローズマリーが取り出した自慢のローズオイルは、セチアさんの工房にあるだけで22種類。委託販売のためにお土産屋さんに置いてあるボトルを含めると100種類を超えるという。

 すごい。アルマちゃんからメリアローザはバラの街と聞いたけど、まさかそんなにたくさんのバラが咲いてるだなんて思わなかった。春には街一面、バラの花が咲き誇る。俄然興味が湧いてきた。春のメリアローザにも訪れなくてはっ!


 自分の分を作る間、お姫様たちが試す香りも体験する。すごい。どれもいい香りだ。バラの種類を変えただけで印象がガラッと変わった。

 アロマオイルの世界は奥深い。深すぎて見える気がしないっ!

 一滴加えるだけで、一種類加えるだけで、新しい世界が開かれる。毎秒毎分、新しい発見があって楽しい。永遠にアロマの世界に居られる自信があるっ!


 楽しい時間はあっという間に過ぎ去って、きりのいいところでティーパーティーの時間がやってきました。

 3時のティーパーティー。

 お菓子に紅茶に楽しい会話。

 今日はフェアリーがいる。

 なんたって、素敵でかわいいフェアリーがいる。

 なんて素敵な日和だろう。祝日にしたいくらいです。


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