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異世界旅行2-1 秋風吹きて夢心地 3

 今からメリアローザに行くのだから、教えてしまっても問題はない。でもでも、サプライズのネタバレほど殺気の集まるものはない。ここは我慢よ、ベレッタ・シルヴィア。ぐっと堪えて我慢の子!

 というわけで、悟られない程度にテンションのガス抜きをしましょう。姫様の固い握手を握りしめて、わたしは口角を上げた。


「わたしもとっても楽しみですっ! 手作りのスイーツも作ってきましたっ!」

「ひゃあ~~~~♪ 楽しみですぅ~~~~♪」


 楽しみすぎて2人してアルペン踊りを踊ってしまった。

 だってだって、仕方ないよね。フェアリーに会えるっていうんだもん。これが踊らずにいられますか。いられませんともっ!


 きゃいきゃいする我々を前に、シェリーさんは、ぱんっ、と手を叩いて注目を集めた。


「これから我々はメリアローザへ赴く。子細は到着後に説明するが、とかく、お世話になる暁にはくれぐれも失礼のないよう、十分に気を付けるように!」


 語気がすごい。

 覇気もすごい。

 楽しみにしてるオーラがすごい出てるっ!


 シェリーさんはお仕事でメリアローザへ赴く。であるならば、仕事人モードの表情でいるはず。それがどうだろう。彼女もわたしと同じで頬が緩みっぱなし。理由を知らないニャニャとリリィが見慣れないシェリーさんの表情を見て、不穏な未来を予見した。

 でも大丈夫。これから7日間は幸せとわくわくのワンダーランドだから。

 ネタバレしたい気持ちを抑え、ニャニャとリリィに話しを振ろう。


「2人はレオさんと一緒にメリアローザの魔法技術の視察に行くんだよね。ニャニャは攻撃系で、リリィは補助と治癒系魔法を担当するの?」


 聞くと、ニャニャは否定してリリィは肯定した。


「ニャニャは攻撃系魔法だけでなく、メタフィッシュのようなマジックアイテムの視察にも行くです。メリアローザという場所は魔法技術が発達した場所ということです。どんなマジックアイテムがあるのかわくわくです♪」


 わくわくするニャニャの隣で、仲のいいリリィもわくわくを口にする。


「私は治癒系魔法と、医療用に開発されたマジックアイテムの視察です。倭国の医療技術がどんなものなのか、直に見せてもらえるということで、とても楽しみです♪」


 倭国ではなく、異世界だが。

 知らないので、無理はない。

 数分後に知ることになるけど。今は言わないでおこう。言ったとしても信じてもらえないから。

 なので、当たり障りのない言葉を選ぼう。


「そうだね。新しい技術や魔法に出会えるといいね。わたしも生まれて初めての旅行だからとても楽しみ♪」


 相手は仕事。つまり出張である。そんな中、わたしは旅行。通常の神経であれば、顰蹙を買うような発言はしない。そのくらいの常識はある。

 が、もはや、そんな判断もできないほど、わたしは有頂天変なのだ。

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