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異世界旅行2-1 秋風吹きて夢心地 1

異世界旅行第二弾です。

今回もまぁ大所帯ですわ。

グレンツェンからは、すみれ。ミレナ。ラム。ヘラ。レーレィ。アーディ。

ベルンからは、サンジェルマン。シェリー。プリマ。レオ。ニャニャ。リリィ。ベレッタ。シャルロッテ。

さらに聖アルスノート王国やメドラウトからの来訪者も合わせるとてんやわんやです。

そもそも全員をフォローするなんて不可能なので、ゆるい感じで主観者のあとを追っていただければと思います。


さて、今回はベレッタ主観で進みます。

ベレッタが主催したホムパにて、異世界の存在を知ったベレッタはフェアリーに会いたくて、アルマの故郷を見たくてプライベートでの参加です。

ギルド・胡蝶の夢では楽しい昼食を。

セチアハウスでは楽しいアロマ石鹸作りを。

エルドラドでは楽しい宴会を。

日輪館に戻っては温泉卵と熱燗と、シャングリラの子供たちによるクーデターが起こります。お風呂上りに甘い飲み物がないために、子供たちが畳の上で抗議をします。

ベレッタは子供たちの全力のふてくされを前にして、彼らの心を満足させることができるのでしょうか?



以下、主観【ベレッタ・シルヴィア】

 空はあいにくの曇り空。お出かけ日和とは言い難い。

 だけどそんなことなど意にも介さないほど、今日のわたしは浮足立っている!

 なにせ今日は待ちに待った旅行の日。アルマちゃんの故郷に遊びに行く。異世界に遊びに出かける。


 フェアリーに会いに行くっ!


 楽しみだ。楽しみすぎてスイーツを作りすぎてしまった。

 フェアリー。フェアリー。フェアリー!

 早く会いたい。ティーパーティーに参加したい。

 セチアさんにも、リィリィちゃんにもまた会える。バニラビーンズのお礼もしたい。

 アルマちゃんからお土産にもらったアロマオイルももっとほしい。

 嗚呼、異世界旅行の7日間。どんな出会いが待ってるのだろう。

 なにをして過ごそう。楽しみだなぁ。生まれて初めての海外旅行が異世界だなんてロマンチック。

 嗚呼、頬の緩みが止まらない。スキップスキップらんらんらん♪


 オートロックの扉を抜けて、お見送りのマルタさんが現れた。

 ものすごい不満そうな顔で。


 わたしは彼女が不満な理由を知っている。

 先日、龍脈の学会発表にて、世界中の情報機関と情報を統合するとともに、人類はこれからどのような対策を取るかの談義のため、ユノさんが中心となって会議が行われることになったのだ。

 マルタさんはその付き添いとして参加する。


 よりにもよって、異世界旅行の日程とだだ被りで。


 いつもにこにこ笑顔のマルタさんの笑顔が怖い。強張って張り付いた笑顔が怖い。

 圧もすごい。自分も行きたかったオーラが凄まじい。


「ベレッタ、行ってらっしゃい」

「あ、はい。行ってきます」


 簡単な挨拶だ。もっとせっつかれるかと思った。でもこれからせっつくんだと思う。わざわざ寮にまで出向いてお見送りをするという手間をかけたのだ。これで終わるはずがない。


「あ、そうだ。お土産話も聞きたいんですけど」


 来たッ!


「申し訳ありませんが、これを掛けていてくれますか?」

「これは、メガネ?」

「伊達メガネです。フレームの端に録画用のカメラがついてます」


 録画用のカメラ付き伊達メガネッ!


「それと、こっちが記録用の媒体ね。7本用意したから、1日1個のペースで録画してください♪」


 1日1個ペースッ!

 いったいいくらかけたんだッ!?


「特にふぇ……彼女たちとの交流の際には必ず記録すること。ほかにも素敵な景色や食べ物があったら忘れず記録すること。絶対に――――絶対に忘れないでねッ!」

「あ、はい……任せてください」


 今にも泣きそうな顔で迫られた。

 イエス以外の選択肢などあろうはずがない。

 でも現地に行ったら撮影許可を取ります。ダメだったら諦めてください。と、心の中でつぶやいた。

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