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ホムパより、愛を込めて 8

 おもいがけず、すみれさんに抱き着いた。

 これだからすみれさんはかっこいいのだっ!

 誰かの心を慮ってくれる。そうして心もお腹も満たしてくれる。あたしが男だったら速攻で告ってるわー。

 兄とくっついてくれたらすみれさんの料理を毎日楽しめるのになー。

 残念だなー。

 なんとか兄と一緒にできないかなー。


 しかし、愚兄とすみれさんを一緒にするのは彼女に申し訳ない気がしてきた。ホムパが始まる前から酔っぱらってるってんだから困り物である。

 なのでよいしょするのはやめておこう。


 それにしても、長兄は社交的な性格だから誰とでも仲良くなりやすい。羨ましい話術である。気が強く喧嘩っ早いあたしとは正反対。思いの丈を間髪入れずにぶちまけるから喧嘩になるんだけどね。

 そういう性格は長所だと思ってます。家族に諭されても、あたしのいいところだと思います。

 閑話休題。ずいぶんとミラベラさんと仲がいいように見える。ホムパメンバーの中だと歳が近いからかな。同じ食べ物経営者としてウマが合うのかな。


 兄とミラベラさんの会話を聞いてみよう。


「お菓子の家に参加してるって話しだけど、具体的にどういう家なの? ほんとにお菓子でできた家?」

「いいえ、外装はクリスタルパレスの魔法で造形したものです。お菓子の家のように、スイーツをたくさん散りばめた素敵なアトラクションです。子供向けのアトラクションでして、お菓子の妖精たちと一緒にスイーツ作りをするんです。私たちカフェ担当はアトラクションの隣でスイーツカフェを提供します。今回はアルマちゃんから『秋の食材』のお題をいただいて、秋にまつわる新作スイーツを作りました」

「いいなぁ、お菓子の家。故郷の華国でもできないかな」


 ひとつ、兄が願望をこぼすと、いつの間にかアルマが2人の間にいた。

 なんて身のこなしだ。お前、ほんとうに魔術師か?


「クリスタルパレスで作ったお菓子の家は世界中どこだって開催できます。今回は西洋風のお菓子の家でしたが、アジアンテイストのお菓子の家もやりたいです。世界中の伝統お菓子を使ったお菓子の家を作りたいですっ!」


 それはあたしも見てみたいッ!

 ミラベラさんも兄貴も乗り気。


「それはとても素敵だね。グレンツェンで開催したらお花畑のようなスイーツが並ぶのかな。想像しただけでドキドキしちゃうね♪」

「華国のお菓子も見目華やかで絶品だぞ。今回は秋だったか。次は春か? 夏か? 四季ごとにお菓子の家を建てたいな」

「夏に涼やかな冷たいスイーツの家! ウォータースライダー付きのお菓子の家なんて楽しいじゃないですか。グレンツェンは海もプールもないので、水で遊びながら――――もういっそ、グレンツェン大図書館をお菓子でコーティングしてやりましょうかっ!」

「「いいねっ!」」


 1800メートルの大図書館をお菓子の家、だと!?

 もうそれは家じゃなくて城だろ。お菓子の城。いいじゃないかっ!

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