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ホムパより、愛を込めて 5

 時ほどよくして、すみれさんの手作り前菜が配膳された。

 前半は【八寸】。24センチ四方のお盆に8種類の料理が飾られる。

 飾られると表現したのは間違いではない。

 満月のような卵。

 闇夜に茂る林を思わせるゴボウと牛バラの甘煮と焼きマッシュルーム。

 水面のようなしらすと刻み葱の和え物。

 湖面を跳ねる小魚のような鯛とタコのマリネ。

 実りをもたらす山々はにんじんとカブと小松菜の蒸し焼き。

 湖に映る生ハムとフレッシュチーズを乗せたベーグル。

 ひよこ豆と黒豆のフムス。


「なにこれ超おいしそうっ!」


 特にゴボウと牛バラの甘煮がおいしそう。角煮大好きなあたしとしては、肉料理が目に留まる。これもう食べていいですかねっ!


「食べる順番はないので、好きなようにお食べ下さい」

「「「「「いただきますっ!」」」」」


 まずはゴボウと牛バラの甘煮から。醤油と砂糖の味がしっかりと沁みていてうまい。あたし好みの味だ。角煮好きにはたまらない。

 ほくほくのゴボウの旨味と牛バラの甘味のマリアージュがたまらん。うまい。うますぎるっ!


「角煮も考えたんだけど、それは次の料理で似たようなものを出すからやめたんだ。でもお肉は欲しかったから牛バラにしたの。どうかな?」

「ちょーおしいーですっ! ってか、角煮に似た料理があるんですか?」

「シェンリュさんがいらっしゃるということで、閃きました!」

「閃きましたっ!?」


 閃いた?

 用意した、じゃなくて?

 なんでもいいや。角煮っぽい料理があるならば!


 お次はまん丸お月様。醤油漬けにした卵の黄身。美しい。美しいのだが、鮮度はどうなのだろう。卵を生で食べる文化がないあたしたちの心配はそこである。


「今朝生みたての卵を買い付けに行きました。なのでご安心ください!」

「うちで使ってる卵より鮮度がいい!」


 思わずミラベラさんが大きな声を出した。一般人の、友人を招いてのホムパにしては気合い入れすぎな行動力。

 サマーバケーションの時もそうだった。新鮮一番だからって、生きた鶏を仕入れてその場で屠殺するという料理への情熱は異常ともいえる。

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