もんすたー・ぱぱぱぱにっく! 20
以下、主観【アーディア・クレール】
数日前、わっちは飛行機でベルンへ降り立ち、姉妹のいるアパートへやってきた。出不精のわっちが外へ出るのは家族と会う時だけ。それ以外はパソコンに向かってネットサーフィン&ネットサーフィン&ネットサーフィンの毎日。
時々仕事が舞い降りては、コンピューターウイルスを作ったりハッキングをして敵対国へ楽しくサイバー攻撃を仕掛ける日々。
今日も今日とてネットサーフィンを楽しんでいた。
最近の関心事は、名も知らず仕事の内容も明かさないのに指示に従ってくれる奇特な仕事仲間 (?) のパソコンの中身を覗き見ること。
彼女はアルマ・クローディアンという少女が企画したパレスミステリーなるアトラクションに参加してるらしい。これがなかなか面白く、夢と希望に溢れた内容なのだ。
彼女が担当してる【ヘラクレスの塔】というものは絶望に満ち満ちてるが。
わっちは子供が大好きだ。だから子供向けのアトラクションとか大好き。
自慢じゃないが、わっちは仕事で稼いだ金でマンションを買い、自分が住んでる部屋の上階を保育園にして運営している。
小さな子供たちが無邪気に暴れ回る音が天井から響いてくるたびに、素晴らしい未来を想像して楽しい気持ちになるのだ。
パレスミステリーは子供向けの企画もあるという。中でも【お菓子の家】だなんて最高じゃないか。お菓子の家で妖精と戯れ、お菓子を食べて笑顔になる子供たち。想像しただけで幸せな気持ちになる。
いつかきっと、お菓子の家の企画をわっちが住んでるマンションの近くの公園で開催して、子供たちに体験してもらいたい。
姉妹たちはこんなわっちの性格を『意味不明』とか、『気持ち悪い』と形容するが、そんなことはどうでもよい。
対人能力が皆無なわっちが子供たちの前に出ようものなら、きっと不愉快な思いをさせてしまう。
それにわっちは遠くから見てるだけでよいのだ。天井越しに聞こえる子供たちの楽しそうな声を聞くだけで満足なのだ。
なぜか姉妹たちからは、こんなわっちの性格を『気持ち悪い』とか、『意味不明』と言ってくるが、そんなことはどうでもいい。
そんなことを考えながら、ながら仕事をしてたらウイルスのひとつがうっかりネット上に旅立ってしまったあああああああああああああああっ!




