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もんすたー・ぱぱぱぱにっく! 15

以下、主観【ジョセフ・サニーデイ】

 パレスミステリーの企画には興味本位で参加した。ミステリー研究会所属と言っても、題材を用意したのは僕じゃない。僕はただ、ミステリ系の書物が好きなだけの凡人である。

 彼女たちのような天才でもなければ、なにかひとつに打ち込むような情熱というものを持ってるわけでもない。


 今は参加したことに少し後悔してる。

 魔導工学技士のアーディ・エレストイ。

 シェリー騎士団長にスカウトされるほどの実績と情熱を持つアルマ・クローディアン。

 バティックの英雄の娘。ヘラクレスの塔をデザインしたペーシェ・アダン。


 天才たちの宴とはまさにこのこと。自分が凡人だと言うことが際立つ。居心地が悪い。早く時間が経ってくれないだろうか。

 僕がここに来たのはパレスミステリーの進捗状況を確認するため。パレスミステリー【ミストタウン】を執筆した出不精の作家の代わりに訪れただけなのだ。


 アーディさんがマジカルガーデンの解析に入る。やることがない。このあとの予定も特にないなら、このへんで中座するとしようか。最後にスイーツがあるということだけど、僕はお菓子の家に携わってるわけじゃないからパスさせていただきたい。

 担当してるミストタウンの雰囲気はエキュルイュで確認できた。こちらとしては収穫は十分。話しを切り出す間もある。ここらで退散するとしますか。


 言いだそうと口を開いて、言葉を出すより先に少女が背中から倒れた。反射的にツインテールの少女の背中を支えると、彼女は白目をむいて失神していた。


「えええええッ!?」


 叫んで、慣れない状況にパニックになる。注目を一身に集めてしまった。とにかく人命救助を。アルマちゃんを横にして、呼吸を確かめる。息はある。うっすらとだが意識が戻った。

 いったいなにが起きたというのか?


「急に、魔力が吸われて、全部なくなってしまいました…………」

「急に魔力が吸われる!?」


 どうすればいいのかまるでわからん。


「というか、いったいなにに吸われたん?」


 ルールーさんはアルマちゃんの体調の心配をしながらも、大事な部分に突っ込んだ。

 そうだ。それがなにかを突き止めなくては二次被害が出るかもしれない。

 息絶え絶えのアルマちゃんが言葉を振り絞ってマジカルガーデンを一瞥した。


「マジカルガーデンに、魔力を、全部、もってかれましたー…………」

「「「「マジカルガーデンに!?」」」」


 アーディさん、ルールーさん、僕とペーシェさんの言葉が重なった。

 マジカルガーデンに魔力を持っていかれたというのはどういうことか。まさか魔法に意志が宿って――――って、そんなわけないか。


「まさかマジカルガーデンに意志がやどったし!?」


 ルールーさんが僕と同じことを考えてた。周囲の目は冷ややかだ。言葉にしなくてよかった。

 冷静なアーディさんはアルマちゃんの安否を確認したのち、マジカルガーデンに振り返る。


「もしやすると、元データに不具合か、ウイルスが入り込んでたのかもしれん。確認してみよう」

「ウイルス!?」

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