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もんすたー・ぱぱぱぱにっく! 13

 すっかりルールーさんに警戒心を持ってしまった双子を連れて、ハティさんは大学所蔵の図書館へ向かった。アルマたちが仕事を終えるまで読書タイムである。

 アルマたちは本題の、ゴッドブレスに現れるクリーチャーデザインの視察。と言っても、デザインに関して口出しするようなことはほとんどない。


 アーディさんがプログラミング言語化されたデータを魔法陣に変換。アルマが魔法陣をパレスミステリー用に再構築するお仕事。


 実はアーディさんの仕事はほとんど終わってる。学生と連携して、あらかたの作業は片付いていた。今日は実際に顔を合わせてデザインの微調整をしたり、受け取ってない新しいデータの変換作業のみ。

 楽しみだぜ。初めての試みはいつだってわくわくだぜっ!


 ゴッドブレスのアトラクションは光の文字に対応したモンスターを討伐するバトル型。構成に必要な要素はチャレンジャーが走り回るためのフィールド。モンスター討伐のための武器である文字。そして強大かつ壮大なモンスター。

 これら3つの要素を織り交ぜて、ひとつの巨大なダンジョンを作る。


 素地となるフィールドはクリスタルパレスで創造。神の居城を思わせる、荘厳で厳格な空中要塞。元ネタはもちろん、浮遊要塞アルカンレティア。

 一定の乱数を目指してランダムに出現するモンスターと、それらに対応した文字の武器。幾重にも積み重ね、廻天する魔法陣の造形はステラ・フェッロの職人が作る時計のように精密で、精緻で、美しい。


 データから変換された魔法陣を集めて積んで再構築。その姿を形容するなら、機械(デウス・)仕掛けの(エクス・)(マキナ)と呼ぶにふさわしい。

 魔法陣群の姿は、そうだな、言うなれば、


「ふおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ! なんて(ふつく)しい。名付けるなら魔法の花園(マジカルガーデン)ですなっ!」


 アルマはぴょんぴょん飛び跳ねて、我々が造り出した魔法芸術を賛美する。

 アーディさんも、ルールーさんたちも己の仕事に満足して大きくうなずいた。


「これほど美しい魔法陣群ができあがるとは思ってもみなかった。ステラウォッチを思わせる芸術性だ。ミレナさんが見たら大興奮だな」

「誰が見たって感動するっしょ! で、これって今のサイズで起動できるんしょ?」


 ルールーさんが待ちきれない様子でアルマに迫る。


「もちろんですとも。現物は直径1キロメートルの巨大ステージですが、それは発現させたクリスタルパレスの大きさに準拠します。今は5×5メートルの範囲なので、出現するモンスターもフィールドに合わせた大きさになります。ので、さっそくフルで起動して、実際にどのように動くかを確認しましょうっ!」


 アルマのテンションに寄り添って、アーディさんが大切なことを付け加える。


「それと同時に、構成した魔法陣をプログラミング言語に逆変換して、パソコン上でも動作確認できるようにしよう。マジカルガーデンを発動させられるのはアルマだけだからな。データ上で動作確認と修正ができるようにしておきたい」

「なんとっ! 魔法陣をデータに変換することもできるんですね。現代科学とはかくも素晴らしいっ!」

「いや、今時そんなに珍しい技術じゃないと思うんだが……」


 いかん。また異世界間特有の無知をさらけ出してしまった。これ以上突っ込まれるとボロがぽろりんちょするかもなので、さっそくアルマの仕事に取りかかるといたいしましょう。


 と、思ったけど、魔法陣からデータへの変換はアーディさんがやってくれるので、アルマはマジカルガーデンを起動させ続ければいいらしい。

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