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もんすたー・ぱぱぱぱにっく! 8

 中堅のステージはウィル・オ・ウィスプ・イン・ミラーワールド。全面鏡張りのステージ。だが、ここにも面白い仕掛けがしてあるのだっ!

 これはぜひとも体験してほしいということで、中庭に出てクリスタルパレスの魔法を発動させてもらった。


 まず最初に飛び込んだルールーさんが違和感に気付く。鏡に張り付いて、自分の右手を壁に当てた。


「右手を壁につけてるはずなのに、鏡の中のあたしが右手を壁につけてる!?」


 どういうわけか説明しよう。本来、鏡映しの世界なら左右逆転して像が映る。鏡の壁に右手を添えたなら、指と指が触れ合うように像が動く。

 しかし、ミラーワールドでは違う。右手を壁に付けたなら、鏡側の像から見て右手を壁に付ける。鏡映しになってない鏡の世界なのだ。

 鏡映しになってないのに鏡の世界というのもおかしな話しだが、とにかく鏡の世界なのだ。


「なにこれすんごい奇妙な体験!」


 ルールーさんが体全体を動かして奇妙体験を満喫。


「強烈なミステリーの香りがする!」


 謎解き大好きジョセフさんも食いついた。

 ミラーワールドを作ったのはペーシェさん。なのでミステリー要素満載です。


「ミラーワールドの概要は、襲い来るモンスターから逃げ、隠された正しい出口を探して扉をくぐる。単純に言えばそれだけです」

「単純に言えば……」


 内容を知ってるポドルギィさんは苦笑い。

 そう、ことは単純ではないのだっ!


「ミラーワールドには鏡の世界のほかに、フェアリーの姿をした妖魔(インプ)と、怪物の姿をしたジャック・ザ・リッパーの2体が出現します。インプはスタート地点からチャレンジャーに語り掛けて、『襲い来るジャックがいるから道案内をする』と言って前を歩きます。ですがこれは嘘で、インプは曲がり角でジャックと鉢合わせるように誘導します。ジャックに触れられるとリタイアします。ジャックはインプに誘導される以外では必ず背後から向かってきます。さて、それはなぜでしょう? はい、ジョセフさん、どうぞ!」


 ジョセフさん、回答早っ!


「鏡なのに鏡映しになってないこと。道案内をすると言ってリタイアを促すインプ。それにわざわざ前を進むって言ったよね。ジャックは必ず背後からって。ということは、ジャックが本当は道案内役なんじゃないかな。チャレンジャーとジャックの延長線上にゴールがある、みたいな?」

「すっげ。さっきの説明だけでそこまで分かったんですか!?」


 まさかの正解。脳みそ柔らかすぎません?

 ちなみに、アルマはこれを理解するのに3回も説明を聞きなおした。


 脳内フルマラソンのルールーさんも頑張ってくらいつく。


「鏡が鏡映しじゃない。つまり、自称案内役のインプも、襲撃役のジャックも、言ってることや態度は嘘っぱちで、本心は目に見える真裏にある、ってことかな?」

「そういうことです。ちなみに正しい出口というのは、きちんと鏡映しになってる鏡の壁です。注意して見れば見つけられますが、ジャックに襲われてる最中に気付けるかどうかが鍵ですね。鏡映しの謎に気付ければ攻略は容易いです」

「気づければ…………」


 怪物に追いかけ回されてパニックになってる最中にそんなこと気にしてられるか。ルールーさんの心の声が聞こえた、気がする。

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