表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
526/1079

宝石の輝きの先に 37

 見てるだけで癒される。バーニアなんて、ティカの頭をトランポリンのようにして、ぽよーんぽよーんと飛び跳ねて遊ぶ。

 頭の上にいるから見えないが、くっかわ!


 月下はペーシェさんの顔の隣でホバリングエア歩行してる。まるで空中を歩いてるようだ。

 くっかわ!


 赤雷と白雲はノルンさんとマリアさんの肩に座ってお話し中。

 くっかわ!


 ローズマリーはシェリーさんの胸ポケットにむりやり入ってぬくぬくを楽しむ。

 くっかわ!


 フェアリーたちはこれからどこへ行くのか。どんなわくわくが待ち構えているのか。未来に輝く希望が待ち遠しいようだ。


「ところで、これからどちらに向かわれるのですか? 薔薇の塔を取り囲む庭園は早咲きの秋バラが咲いていて、とっても素敵なんです。よろしければ、庭園を散歩してティータイムにしませんか?」


 白雲が素敵な提案をしてくれる。残念だけどと切り出したのはフィアナさん。


「我々はこれから宝石魔法の実験のため、ダンジョンを登る予定なのです。魔法が放てて、モンスターや障害物のない場所に行くのです」


 宝石魔法のワードにローズマリーがくいついた。


「宝石魔法っていうと、きらきらの石のことだ。華恋も作ってるやつ。どんな魔法が――――――もしかして、アルマも魔法を放つの?」


 思い出したかのように沈黙して、ローズマリーはアルマを見た。


「そうだよー。宝石魔法の実験のために魔法を撃って撃って撃ちまくる! まずは撃ってみて、それから情報を整理するのだ」


 アルマの満面の笑みを見たフェアリーたちは思考を停止。3秒後、セチアさんの周囲に素早く集合してお別れの挨拶をする。


「そうだ。3時のティーパーティーの準備をしなきゃいけないんだった! みんな、またあとでねっ!」


 明らかに様子がおかしい。さっきまではみんなと一緒に遊びに行こうって雰囲気だったのに。


「ねぇアルマ。これはどういうことなの?」


 全員の視線がアルマに集まる。


「以前、ローズマリーたちがアルマの魔法を見てみたいっていうから、思いっきり魔法をぶっ放したことがあんの。で、魔法の爆風で吹っ飛んじゃって。それ以来、アルマが魔法を放つってなると、こういう反応になる」

「なんてトラウマを植え付けてくれたんだ。せっかくフェアリーたちと一緒にいられる時間ができたと思ったのに」

「だったらティカはフェアリーたちと一緒にティーパーティーの準備に行けばいいんじゃない?」

「え?」

「ん?」


 言われてみれば、ティカはベルン寄宿生とはいえ、フィアナさんの研究室に在籍してるわけではない。つまり、フリーに動ける立場である。


「なるほど。よし。それじゃ、ティカはローズマリーたちと一緒にティーパーティーの準備にとりかかろうと思いますっ!」


 反論はない。シェリーさんもフィアナさんも、ティカがそうしたいならそれでいいと言ってくれる。

 よしっ!


 続いて、フィアナさんがノルンさんとマリアさんの背中を押す。


「ノルンさんとマリアさんもローズマリーたちのお手伝いをしてあげてはいかがでしょうか。セチアさんはどう思われますか?」

「ええ、人手は多いほうが助かります。なにをするにも、大勢のほうが楽しいですから。ね、みんな?」

「手伝ってくれるの? わぁーい! やったぁー!」


 喜びのあまり、セチアさんを中心にぐるぐると飛び回る。3周して、よろしくねと挨拶をした。


 くっかわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ