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宝石の輝きの先に 14

以下、主観【レオ・ダンケッテ】

 超びっくりした。休憩中にカフェテラスでスイーツを食べてたら、警戒警報レベルレッドの轟音が鳴り響く。

 魔導防殻は修復済み。攻撃は内側から。魔法の発生源は演習場。


 速攻で休憩を切り上げて当該地区へ急行。そこには真っ白になった金髪ツインテふりふりフリルの少女。寄宿生一年生のカルティカ。四年生のフィアナ・エヴェリックの姿があった。


「魔獣の姿は無し、か」


 ひとまず魔獣が入り込んだわけじゃないらしい。ということはテロか?

 それとも、この3人が?


 わたわたしてる様子からして、なにか事情を知ってるようだ。


「カルティカとフィアナだよな? なにがあったか知ってたら教えてくんない?」


 緊張感を与えないよう、いつも通り接することに徹する。騎士団副団長の俺が動揺すると、周囲に不安を及ぼしかねない。


「レオ副団長様! 申し訳ございません。宝石魔法の実証実験の際に事故が起きてしまいまして…………」

「宝石魔法の実証実験?」


 彼女は宝石魔法と精霊学を研究してる。異世界から出資を受けて宝石魔法の研究を進めてるとか。今日は宝石魔法の実験を行ってたみたいだ。

 とにもかくにも、国に害をなそうという輩の仕業でないなら、それはそれでよし。


 次は被害状況の確認。視界の内に倒れてる人間はいない。焼けこげた木々の軌道と破損した魔導防殻の位置からして、なにかしらの魔法が空へ飛んで霧散したのか。

 被害としては木々が燃えて火事になりそうだったってところか。今は消防がかけつけて消火活動にいそしんでる。


 マジかー……と空を見上げると、常駐の騎士団員から連絡が入った。演習場から魔導防殻の導線に人的被害は無し。ひとまず安心。

 さて。ではここでなにがあったのか、詳しく聞いてみるとしよう。


「すみませんでしたっ!」


 ツインテールが地面に埋まる。見事な土下座。少女に土下座されるとこちらが困る。

 彼女が首謀者なのだとして、反省してくれるのならそれでいい。しかし土下座は大げさ。


「今回は人的被害がなかったみたいだから、とりまオーケー!」

「オーケーじゃないですよね!?」

「まぁ、オーケーじゃないんだけど……」


 それが分かってるだけ、よしとしましょう。


「それは今はおい、とい、てっ! 具体的にどんな魔法を撃って、どうなったのか教えてもらいたいんだ。宝石魔法の研究の一環ってことだからあとで報告してくれるんだろうけど、こんなんなっちゃったから先に教えておいてほしいんだよね」


 事故報告のために。と言うと少女が泣くかもなので言わない。

 金髪ツインテールのふりふりフリル少女の名前はアルマ・クローディアン。シェリーちゃんが惚れこんでるという、空中散歩を作った張本人。

 サンジェルマンさんも素晴らしい逸材と手放しで褒めた天才児。


 そして、グレンツェンの魔導防殻を2度も破壊した問題児。これで3度目。ヘラさん超激怒待ったなし。

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