謝蜂葬〘エルンテダンク・ビーネ・ベアディグング〙 6
どうしようか。子供たちものりのりである。荷物を運ぶのを手伝ってくれたからという理由でご相伴に預かることはできそう。ベレッタさんの判断やいかに。
「それは構いませんよ。でもできれば、時間ができたのでエマとすみれ、それからローザも残ってもらえると嬉しいんだけど、どうかな? 時間ができたから料理を振舞ってほしいの。以前、シェリーさんが帰郷した時にライラさんもいらっしゃって、その時にすみれの話しをしたの。すっごく料理が上手だって。子供たちはフラワーフェスティバルですみれとエマが料理をしたことも知ってるから、一度でいいから二人の料理を食べてみたい、って。子供たちの中には、ロスミールプロジェクトを通じて料理人になりたいって子もいるから」
「それはとんでもない光栄です。でもいいんですか? その、私たちは結局、荷運びの仕事は手伝ってないんだけど……」
「構わないよ。料理を振舞ってもらえるなら。子供たちの希望でもあるし。それに、シスターたちやわたしたちもまだ事務仕事が残ってて。シェリーさんは挨拶周りでしばらく戻ってこない。こういう時は子供たちに料理を作ってもらうんだけど、みんなはハティさんに夢中みたいだから。むしろこの後、みんなで予定があったんじゃない? 離れ離れになっちゃうんだけど……」
「そうですね。先に立てた予定が優先なので。みなさん、どうでしょう?」
全員に問うと、キキちゃんはガッツのポーズで激励をくれる。
「大丈夫。キキもヤヤもその辺のあれこれは理解してるつもりだから。みんなにおいしいご飯を食べさせてあげてくださいっ!」
ウォルフさんは残念そうに思いながらも、子供たちの幸せを願う笑顔を見せてくれた。
「まぁ残念っちゃ残念だけど、すみれたちとはまた別日にランチできるし」
ティレットさんもガレットちゃんも快諾してくれる。
「ええ、彼らのおかげで素敵なエルビーベアになったんです。頑張った人にはご褒美がないと」
「お姉さまのおっしゃる通りです。エマさんもローザさんも頑張ってくださいね♪」
アルマちゃんも満面の笑みを見せながら、自分の好きなことをぶっこんできた。
「アルマも大丈夫です。ちなみに、魔法の話しならアルマにも頼ってください。もしかしたら未来の賢人が生まれるかもしれませんっ!」
快諾してくれるみんなの笑顔を見たベレッタさんの胸が熱くなる。
「みんな、本当にありがとう。この恩は必ず」
「恩だなんて、ベレッタさんのおかげできらきら魔法でわくわくできるんです。ね、みんな」
全員満場一致の喝采でベレッタさんに感謝を伝えた。彼女は瞳に涙を浮かべてお礼を述べる。
ベレッタさんだって子供たちを思ってのこと。ならばやらねば女が廃るというものですっ!




