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謝蜂葬〘エルンテダンク・ビーネ・ベアディグング〙 5

 ティレットさんたちも同様、どうしていいか分からずに棒立ちしてしまう。

 ベレッタさんは荷物を見てみんなに言った。


「ええと、みんな、まずは荷物を元に戻しましょう。アダム、悪いんだけど子供たちの先導をして。わたしは一応、シスターとシェリーさんにテレポートのことを話しておくから」

「はい、分かりました。みんな、まずは仕事を終わらせてしまおう」

「「「「「はーい!」」」」」


 元気に返事をした子供たちはアダムくんの後ろについて手際よく仕事をこなす。

 ハティさんは子供たちの頑張る姿を見て感無量といった表情で見守った。

 しかし、私の記憶が確かであれば、グレンツェン側の世界では軽々に転移の魔法を使ってはならないはず。きっとハティさんは忘れてる。子供たちに褒められて、思い出すこともあるまい。

 でも水を差すのも気が引ける。

 わたわたする私たちに、電話の終わったベレッタさんがやってきた。


「あとでシェリーさんが、その、ハティさんに、ヘラさんと一緒に、お話しするって……」

「あ、はい……」


 このあと、ハティさんは修道院の子供たちと遊ぶために残り、シェリーさんとヘラさんと出会い、やんわりと怒られ、晩御飯の時にはちょっぴりしょんぼりした表情を携えて帰ってくるのだった。

 ということが目に見えてるので、今日はハティさんをいっぱいいっぱい褒めるために、とびきりおいしい晩御飯を作ろうと思います。


 しかしてそれはまたあとで。今はランチをどうするかを考えよう。

 午後の予定がない私たちはヘイターハーゼか、ツイストファリーヌか、どこかお外で外食をしようという話しをしていた。なのできりのいいところでお暇しましょう。念のため、ハティさんにこの後の行動をどうするか聞いてみよう。


「子供たちと一緒にお昼ご飯を食べるっ!」


 すっごくいい笑顔で言われた。だけど修道院の子供たちが食べるご飯は全て税金からまかなわれている。つまり、一般人がご一緒するのは風体的にもあまりよろしくない。ハティさんは当然、そんなことなど知る由もない。

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