133.異世界旅行2-7 思い出に、『また明日』を 46
ペーシェたちと入れ違いになる形で、キノコとかぼちゃとビスクのスープがやってきた。
キノコの風味とかぼちゃの甘味とビスクの旨味が口いっぱいに広がる。う~ん、これもずっと口の中に入れていたい♪
「お~いしぃ~♪ これ、私すっごく好きです! これもすみれが作ったの?」
「はい。でもでも、味のバランスはレーレィさんに見てもらいました」
「そうです。私がいい感じに仕上げました! どやっ!」
「お見事です。レーレィさんは味のバランスを整えるのが本当にお上手です」
「ふふふ。グリムに褒められるなんて光栄だわ♪」
本当においしい。キノコもかぼちゃもビスクも最高の配分で組み合わされてる。これはわたしも作れるようになりたい。
「あとでレシピをお渡ししますので、帰ったら作ってみてください。その代わりに、アレンジレシピとか、別の料理のレシピがあったら教えてくださいっ!」
「もちろん!」
料理好き仲間のネットワークはこの話題で盛り上がる。料理の情報をギブ&テイク。作った料理を共有したり、どんなふうにアレンジしたとかって話しでわいわいするのだ。
わたしも彼女たちの輪の中の一人。ほかにアポロンやエマたちもいて、とっても楽しい時間を過ごせる。
おかわりがほしいと思った矢先、レーレィさんが旦那さんを呼びつけて全員分のおかわりを貰ってくるようにいいつけた。当然、サンジェルマンさんは快く引き受ける。さすが奥さん。バティックの英雄だろうとおつかいに行かせるとは。
愛妻家なのがよくわかる、ということにしておこう。
サンジェルマンさんと入れ替わりで、ペーシェと祈ちゃんがクリームパスタのおかわりを持ってきた。
人見知りの祈ちゃんはおそるおそる器をみんなに手渡す。だからわたしたちは満面の笑みで感謝の言葉を伝えた。すると彼女は花が開いたように笑顔になって、『どういたしまして』と返してくれる。
かわいいっ!
ちゃんとできたとペーシェに伝えると、彼女は祈ちゃんの頭を撫でて褒めてやる。すると大好きなお姉ちゃんに褒められてまたも笑顔の花が咲いた。
かわいいっ!




