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133.異世界旅行2-7 思い出に、『また明日』を 41

 彼の言葉にダンスは思いっきり顔を上げて叫ぶ。大粒の涙を流しながら。


「絶対に諦めない!」

「それでこそ男だ!」


 いや諦めが肝心な時もあるよ!

 今がその時なんじゃないかな!?

 男二人の会話が続く。


「ではどうすれば意中の相手に好きになってもらえるか。ずばり、相手が欲しいと思うものを差し出すことだ」

「相手が欲しいと思うもの…………いちご」

「それはそうかもしれないんだが、もっと別のものがあるじゃないか。彼女たちがはっきり言葉にしただろう」


 え、いやちょっと待って。なんで知ってるんですか?

 さっきまでこの場にいなかったですよね?

 波動からなにかを読み取ったっていうんですか?

 わたしの疑問はのどに詰まって大渋滞。彼らは会話のヘリコプターに乗って軽快に会話を弾ませる。


「静寂。落ち着いた雰囲気。ガンバッテミル」

「うん。なかなか道は険しそうだね」


 ばっさり言った!

 三本目の槍がダンスに刺さる。

 それでも彼は諦めない。これが恋心を抱いた男子の信念!


「で、でもどうすれば……」

「正直、君の性格と彼女たちの性格は合わない。となれば、三人が譲歩できるところまでお互いが歩み寄るしかない。しかし、それはあくまでお互いを許容することができる関係であることが前提だ」


 次は小さなナイフがダンスに刺さる。サンジェルマンさんの言う、【お互いを許容することができる関係】に至らないダンスはどうすればいいのか。そこが問題なのだ。

 サンジェルマンさんはダンスが安心するように微笑む。


「大丈夫だ。君の彼女たちに対する愛が本物なら。まずは嬉しさのあまりブレイクダンスをしてしまう癖を直そう。さすがに食事中にダンスはよくない。埃が舞ってしまうからね。TPOは大事だ」

「はい……」


 ぐうの音もでないやつ。でも正論なので彼は肯定しかしない。つまり、自分を省みて正すことができる謙虚さがあるということ。

 サンジェルマンさんの助言は続く。


「まずは自分の思いを打ち明けるところからだ。決して相手からの要求を提案してはいけないよ。彼女たちから歩み寄ってもらえるように態度で示していく必要がある。これからの君の姿勢が試されるんだ」

「分かりました! 僕ちゃんやります!」

「その意気だ!」


 二人は恋の師弟のような関係になって意気揚々と赤雷と白雲のところへ繰り出した。

 だけど、こう言っては申し訳ないけど、奥さんがいるのに若い女の子をナンパするような人の言葉に説得力を感じないのはわたしだけだろうか…………。

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