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133.異世界旅行2-7 思い出に、『また明日』を 22

 デーシィさんは赤面して背を向けた。アルマちゃんは『ナイスバルク!』と叫んで陽介さんの肉体美を褒め讃える。インヴィディアさんは無関心を貫いた。

 わたしはというと、陽介さんの『最後に信頼できるのは自分の筋肉と体力』という言葉を反芻しながら、わたしも可もなく不可もない程度に体力はつけないとなぁ、と思う次第です。


 陽介さんが指輪を手のひらに置いて筋力の低下を調べた。

 指輪を持った反対側の腕にしきりに力を入れる。


「なるほど。たしかに筋力の低下を感じますねえ。普段より全然、力が入りません。どうやら成功したようですねえ。あとはティアさんという女性に実際に使ってみてもらうだけですねえ。もしもうまくいかなかったら、またご相談ください。いつでもご協力いたします」


 七尾さんは手で眼を覆いながらも指の隙間から七尾さんの肉体美をみつめるデーシィさんに指輪を渡す。


「あ、あぁ、はいっ! その時になったら、その、また、よろしくお願いしますっ!」


 デーシィさんは陽介さんの肉体美を直視しないように指輪を受け取った。筋肉に緊張してるのか手が振るえている。

 デーシィさんには悪いが、わたしから言わせたらデーシィさんの服はほとんど水着に近いんだけど……。砂漠地域にお住まいということで直射日光を遮る魔法がかかった薄手のカーディガンはともかく、その下の服が水着の布地じゃないだけでデザインが完全にビキニのそれ。

 しかも当のデーシィさんのプロポーションと容姿が抜群だっていうんだから、きっと男性は目のやり場に困るはず。

 指輪を受け取ったのでティアさんたちと合流するために昼食へと赴く。


 ♪ ♪ ♪


 ギルド【胡蝶の夢】が運営する食堂・秋風亭にはほんのりと土の香りがする華恋とティアさんがミミック談義に花を咲かせる。咲かせるものがほかにもありそうなものだけど、とにかくミミックの繁殖と活用について話しをしてるみたい。

 ミミックが再生成する鉱石が魔鉱石になるなら興味はあるけど、ただの鉱石にはあまり興味がない。宝石には少し興味はあるけれど、わたしにはアルマちゃんからもらった素敵なイヤリングがあるので満足です。


 ティアさんの姿を見たアルマちゃんがくるくると踊るような足取りで新作のマジックアイテムをお披露目する。結婚指輪を入れるような箱をティアさんと華恋の前にドンッ! と置いた。


「どーんっ! お待たせしましたっ! こちらがティアさんへのサプライズプレゼントです。これを指にはめれば自動的に弱体化の魔法が発動します。さらにさらに、一般的な女性の筋力になるように自動で調整されます。さっそく装着してみてください」

「仕事早いッ! もぅできたの!?」

「これこの通りです。インヴィディアさんに魔法を行使していただき、ベレッタさんとデーシィさんに魔法陣の再構成をしてもらい、ディザさんに指輪を作ってもらい、陽介さんに刻印を施していただきました」

「指輪を作ったの? 見せて」

「あ、はい」


 指輪と聞いてデザインが気になる華恋が、ティアさんのプレゼントだというのに指輪を要求する。それはさすがに人としてどうなんだろう。アルマちゃんは当然のように渡したけど。

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