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第8話 プロローグは悪夢(8)
俺の嫁──。俺の子まで身籠っているらしい《《楼蘭妃》》は、黒い影の男……。《《韓黄》》から自分とお腹の子を守って欲しいと、涙をポロポロ流しつつ俺に命乞いを続けてくる。
だから俺はとうとう我慢ができなくなり。
「──韓黄! 貴様! 俺の女房の首から手を離せ! 離せよー! 今直ぐにー! でッ、ないと、お前ー! 韓黄のことをぶっ殺してやるからなー!」と。
俺の女房──。楼蘭を今日も殺害しようとする暗黒神な男……。参と言う名の国の宰相らしい韓黄に対して俺は怒声を吐いた。
それでも韓黄は俺の女房の華奢な首から手を離さない。
だから楼蘭の口から更に。
「──助けてあなたさま~!」、「あなたさま~!」、「あなたさま~、おねがいします~!」、「朕と姫のことを御助け~!」、「御救いください~!」
と絶叫交じりの断末魔に近い声が吐かれるから。
俺は日本での死を覚悟して、楼蘭と麗蘭に生気、精気を吸われ尽くされ、屍のようになって身体を放置して《《あの世》》……。俺の妻達がいる別の世界へと旅立ち──。翌日、ニュースや新聞の記事を賑わいさすのだった。
◇◇◇