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第69話 隣国との戦争も中盤に差し掛かりました(6)
まるで二百三高地の戦闘のワンシーンのようだと、解体をされることも恐れず、次から次へと特攻を繰り返す、冥の兵たちのことを俺は他人事のように思えず。
うぅ、ううう。悲しい、侘しいよ……。切ないよう……と、心の中で涙を流しつつ、敵の兵たちを同情していれば。
「敵の砲台を占領~!」
「敵の砲台を占領しました~!」
「我が軍は~、敵に破壊されることも恐れず占領しました~!」
冥の銃歩兵部隊は俺の国のアームストロングの上に乗り──凛々しく勝ち誇り、自国の旗を元気よく振るものだから。
ま、不味いぞ~! 大変に不味いぞ~! と俺は、自国のピンチに、己の顔を引き攣ら動揺を始めると。




