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第1話 プロローグは悪夢(1)
「恨めしや~」
「恨めしいです……」
「聖斗助けて……」
「助けてください、聖斗……」
「朕と姫の二人をあの男の呪いから解放……」
「わらわと母上さまをあの忌々しい男の呪術から解き放ってください、聖斗……」
「あなたさま~」
「……そうすれば、わらわと母上さまの二人はあなたさまに、世界を手に入れる力を授けましょう~」
「だからあなたさま~、朕と姫のことを助けてください~」
「それとわらわと母上さまのお腹にいるやや子もお守りください、あなたさま……。頼みますから……」
今日も俺が瞼を閉じ睡眠に入ると、こんな声、台詞……。
それも二人の若い女性の親子の悲痛な声音での嘆願……。いや、命乞いかな? と思う悲しい台詞が毎夜のように俺の耳へと聞こえ魘される。