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嫌われ者の悪魔の伝説。  作者: きよろう。
2/3

初陣

その時。王都は荒れていた。

この世界では魔物のクラスは非常に沢山ある。

弱いものから順に並べると、


戦闘力皆無とされ、人間に有益なGランク。


戦闘力皆無とされ、人間に有害なFランク。


人間に有害な最弱クラスEランク。


Eランクを無傷で屠れるDランク。

自我を持つD+ランク。


Dランクを無傷で屠れるCランク。

自我を持つC+ランク。


Cランクを無傷で屠れるBランク。

自我を持つB+ランク。


Bランクと戦い、高確率で勝てるとされるAランク。

凶暴とされるA+ランク。


人間の叡智を集合させても勝てないとされる生きる天災。Sランク。


そして、


存在は不確かだが、神族。Sss+ランク。



そして話は戻るが、王都が揉めている理由。

それは、デグド樹林でAクラスモンスターの発生が確認されたからだ。


「どうするんですか...。」


「どうするもこうするもないだろ。早めに芽は摘み取っておかないと国がなくなるぞ...。」


「かと言って勇者様も冒険者の方々も出払っていますし...。なにか手は...。」


「偵察という形で行くか?Aランクともなると会話に応じるものが多いだろう。」


「お言葉を返すようですがそれは死地に赴かせるのと同義では...。」


「仕方あるまい。その時は緊急で招集をかけてA+認定をして討伐隊を本格的に送ろう。」


「わかりました。3名ほど用意させます...。」


即決であった。こういう議題はよく話し合って決めるのが当たり前だが、状況が状況だ。何日もかけて話す暇はない。

かくして、デグド樹林の奥地に偵察兵が送り込まれるのであった。



その頃森では...

ワルキューレは魔物の群れに囲まれていた。

ゴブリンを大きくしたような筋肉質な体を持った魔物

狼の脚が大きくなったような魔物。

そして何より目立つのが、通称

オーガリーダー。B+にも位置する屈強な森の守護者だ。周りのオーガもCランク。

狼のような魔物。ウルファはDランク少々と言ったところか。総勢10匹。洞穴で考え込むワルキューレを取り押さえるかのように出口を塞いでいた。


その瞬間、死ぬかもしれないその状況に生存本能を刺激された。魔術の使い方。腹にある魔力だまりのような場所から手の先や口に運んでいくあの感覚。


人を殺した時の妙な高揚感。


弓のように腕を引き対象に発射される超高速のパンチ。魔法がねられるときの独特の歪み。


思い出した。

その目は殺戮兵器のように虚空を見つめているようだった。


「始めようか...。」


開戦の火蓋が切って落とされた。


見たところ魔術を使いそうなのはオーガリーダーくらいだ。指揮と同時に魔術で援護か。そして前衛にはウルファ。後衛の追撃要員にオーガ。ナタのような武器を持っている。


まず敵は前衛を上げてきた。距離を詰めて逃げ場をなくそうとしているのだろう。その名の通り背水の陣だ。持久戦に持ち込むには数的に圧倒的に不利すぎる。ジリ貧で負ける。1匹に集中しすぎると脇から刺されて終わり。フェイントをかけて少しでもはぐれた奴をやるしかない。そう作戦を立てるのであった。


「装甲。フレイムアーマー。」


そう唱える体が発火した。拳や足の部分が燃えている。ダメージばもちろんない。これは防具だ。

殴られたらその部分も発火するようになっている。

そのぶん魔力は消費するが。

鮫肌のようなものだ。


そうすると俺は突貫した。敵のど真ん中に。敵の距離が3メートルを切ると俺は口から火を吹き敵を散開させた。狙い通りだ。この火はとても高熱であたったらもちろんひとたまりもない。ましてやとても狭い洞穴だ。逃げる場所もそうそうない。オーガが後退し、ウルファは横穴に飛び込む。そしてオーガリーダーが前衛に出てき、レジストするように水魔法を放った。


そして俺は見逃さなかった。横穴に逃げたウルファ3匹を。

そしてそのままその横穴に魔法を放った。


「マグマブレス。」


そう唱えると赤黒い球状の玉が横穴に着弾し、轟音とともに弾けた。


あとは7匹。オーガリーダーとオーガ6匹。

あとはノロマが集まっているだけだ。

勝てる。そう思った。そしてウルファをやられたオーガが怒り、突っ込んできた。

前衛5匹。後衛の真ん中にリーダー。その両脇にオーガ。


火魔法はレジストされる。そうなるともう近接戦しか残されていなかった。


瞬時に突っ込む。左端のオーガの角を掴んで地面に叩きつけて気絶させる。すると予想通りほかのオーガが殴りつけてきた。俺はその攻撃を気絶したオーガを上に投げ肉壁にする。そして地面にこう唱えた。


「フレイムブレス」


瞬間地面が燃え盛った。そしてオーガの足が燃え盛った。オーガは混乱した様子だった。無理もない。突然足場が剣山になったようなものだ。そして俺はその隙を見逃さず、拳をオーガに叩きつけた。瞬時に敵の混乱を見逃さず2匹屠った。と、そこで魔法が炸裂した。水魔法だ。そして地面の炎は鎮火された。

ラスト5匹。全員残り体力7割といったところか。

息も切れている。そして俺は最後の肉弾戦にもちこんだ。


今度は密接するかのような陣形を取っている。さっきの二の舞は踏まんとばかりの形だ。的確にオーガリーダーが魔法を放つ。実に様々な魔法だ。

水球や火球。電撃まで。そして距離を詰めれずに渋っているとオーガが地面に手を合わせて魔法が発動された。


瞬間リーダーに気を取られていた俺は地面から伸びた岩に対応出来ず足を絡め取られた。


このままではリンチされて終わると悟った俺は足に絡みついた岩を殴り壊した。


だが、3メートルという距離を詰めるにしては十分すぎる時間稼ぎだった。

次の瞬間、俺はオーガのでかい図体から繰り出されるパンチをもろに顔面に受けた。洞穴の奥まで叩きつけられた。意識が朦朧とする。だが悠長にはしてられない。反撃の一手を講じるのであった。


「フレイムウォール」


すると、その名の通り壁ができるようにオーガと俺のあいだに火の壁が隔たった。

そして俺は続けざまに上級魔法を唱えた。


「デスフレイム」


すると凄まじい速さで生きているかのようにうねうね動く火球が5つフレイムウォールを貫通して飛んでいき、次の瞬間にはオーガ5匹の悲鳴が洞穴にこだました。それと共に、俺の目から生体反応が無くなった。


2分弱くらいの出来事が、長く感じた。



それと同時に自分が食物連鎖の上位にいることが実感出来た。森の中では負けないだろう。

さて夜になった。なにをしようか。

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