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シャル〜魔力〜

 シャルが転移すると見たこともない森だった。


「ここどこ?」


 シャルは、一人周りを見渡した。すると、何かがこっちに近づいてきていた。

 ガサ、ガサ。


「誰かいるの?」

「え? その、声って......」

「ん? シャル?」


 そこに居たのはカレンだった。シャルは、カレンに抱きついた。


「う、うぅ。カレンさん、会いたかったです!! 探したんですよ!!」

「あはは、なんでシャルが来たのか気になるけど、何となくわかった気がする」


 カレンはその後、今住んでいる小屋にシャルを招き入れた。


「へ〜。私が知らない間の七年でそんな事があったんですね。でも、一番の驚きはカレンさん、背が高くなってません? それに、胸まで出てきてるし」

「いや〜、人間だからね。成長ぐらいするよ!」


 カレンは、でかくなったその胸を張って、シャルに見せつけていた。


「こんなに、エルフである事が憎いと思ったことは初めてです」

「そんな事言わないでくださいよ」

「でも、ヒューは大きさ変わらないんですね」

『何を言っている。私のこの姿は仮の姿。真実の姿はこれの何倍も大きいんですよ』

「そんな、嘘言わないでくださいよ」

「ほんとですよ。見てみたほうが早いですね」


 カレンたちは一旦外に出た。


『じゃ、見ててくださいね』


 ヒューが集中し始めて数秒、ヒューの身体が眩い光を放ち始めた。


「そろそろですよ」


 カレンがそういうと、ヒューの身体の光は収まり、そこに居たのは成竜まで成長して、全長二十メートル程の大きさになったヒューだった。


『どうだ?』

「す、凄いですね」

「ね、ヒューは凄いでしょ。それに、強いんだから。もうこの島では負けなしだよ」

『貴女には勝てませんけどね』


 その後、小屋の中に入り少し話をした。そして、カレンが何か思い出したように話しかけてきた。


「あ、そうだ。シャルって、この島に来たばっかりだよね」

「うん。そうだけど」

「だったらさ、魔力を自分の中に抑えてて欲しいんだ」

「え? どうして?」


 カレンは、自分の身に起きたことを話した。


「なるほどね。分かったわ」


 そして、魔力を抑えたシャルにカレンは料理を振る舞った。


「あと、これも食べてね。これはね、食べると魔力が強化されるお肉よ」

「え!? な、なにそれ!?」

「私も原理は知らないんだけど、そういう鳥がいるんだよ」

「不思議な場所ね。あ、この島から出るにはどうするの?」

「それは、安心して、もう戻れる段階には来てるから」

「へー」


 それから、数日を過ごした。


「ねぇ、シャル。お願いがあるんだ」

「カレンさんからお願いされるなんて珍しいですね」

「大事な話だからね」

「大事な話?」

「そう。私と、パーティになってくれない?」

「え!? 私なんかがカレンさんのパーティに入れるわけないじゃないですか!?」

「大丈夫だよ。昨日の戦いもシャルがいてくれて今まで以上に楽に倒せたんだ。だから、ここでシャルを強くして私とパーティになって欲しいんだよ」

「カレンさんとパーティになれるなんて夢見たいです。では、カレンさん! 私を強くして、パーティに入れてください!」

「もちろん!!」


 それから数ヶ月、カレンによる地獄の特訓が開始された。


「まだまだ行くよ!」

「は、はい!!」


 カレンは、シャルの俊敏性、弓の命中力、弓の威力をあげる特訓をしていた。


「よし、今日はそろそろ終わりだよ」

「はぁー。やっと終わった!」

「ほら、最後に今まで抑えてた魔力を放出してみ」

「いいの?」

「うん! やってみ」

「わ、分かった」


 シャルは恐る恐る自分の魔力を解放した。すると、シャルを中心に風がブワッと吹いた。


「え、え? えぇぇぇぇぇえ!!??」

「驚いてる、驚いてる」

「ちょ、ちょっとカレン! なにこれ!!」

「どう? それが、この島に順応したシャルの魔力だよ」

「これが、私の魔力? 不思議な感覚。今まで重い鎧を着て動いてみたいな感じだよ」

「さ、魔力ダダ漏れになってるから抑えて」

「う、うん」


 シャルはいまだ驚いて固まっている。

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