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 カレンが百層から転移してきたのはよく分からない島だった。周りは海だ囲われ、その先に島などは一切見えない。カレンはまだそれを知らない。


「ヒュー? いる?」

「キュル?」


 ヒューは転移する少し前からカレンの頭の上にいたから、一緒に転移してきたようだ。


「ん〜。どうやって、あっちに戻れば良いんだろう?」

「キュ〜ル?」


 カレンはこれからどうするかを考えながら歩いていると、小さな小屋を見つけた。


「なんだろう、あの小屋?」


 中に入ると、誰かが住んでいたような、家具やらが置いてあった。


「ここに、私以外も飛ばされたってこと?」


 中に入り散策すると分かったことがあった。

 埃が溜まっており、居なくなってから相当時間が経っていること、井戸があったから、ここで相当暮らしていたことが推測された。そして、隠し部屋のようなものを見つけた。

 しかも、本棚の後ろにね。


「隠し場所が分かりやすすぎでしょ」


 そして、中に入ると、一冊の本がぽつんと机の上に置いてあった。

 中を読んでみると、とても一日で読み切れる量じゃなかった。今は、目次だけ読んでいる。

 簡単にまとめるとこの二つだった。


・この島について

・脱出方法


 まず、この島についてだ。

 この島は、一体何処にあるのか全くの謎だった。しかし、この島は五角形の形をしているらしい。その頂点には転移の魔法陣があるようだ。しかし、それを護る魔物がいるようだ。それぞについても書いてあるが、それは、会ってからのお楽しみだね。

 で、その先にあるものがあり、それをどうにかするといいらしい。

 そして、大事なのが、ここの島の魔物たちだ。この島の魔物はダンジョンの百層のボスよりも、ここの最底辺の魔物の方が断然強いと、書いてある。それと、この島の食べ物はめっちゃ美味いらしい。毒は無いって、書いてある。


「まじで? ん〜、辛すぎ」


 そして、脱出方法は簡単で、その、とあるものを五つ揃えたら簡単に脱出出来るようだ。


「て、ことは。この本の作者は無事に元の街に戻ることが出来たんだ。よかった〜」


 その本を亜空間にしまい、家の中の散策は終わった。


「あのダンジョンのボスよりも強いのか、これは、全力で鍛えないと、早々に死んじゃうよ。それに、一番の問題はヒューだよね」


 ヒューは経験的にも強さ的にも、全てがまだ弱い。そして、ここの最底辺に簡単に負けてしまうことも、考えられる。


「それじゃ、目先の目標は、ヒューと私の強化と、この小屋を住みやすく、中を改造していきますか」


 そうして始まった、新たな場所での生活。食料は近くに木の実がなっていたりしているので、食料には困らない。


「ドラゴンってどうやったら強くなるんだろう?」


 カレンは人に対してだったら、今までやられてきたことを、その人に合わせてやれば、教えることは出来たが、ドラゴンを強くするなんて考えたことなかったから、どうやるか、めちゃくちゃ悩んでいた。


「まぁ、なるようになるか!」


 今まで座っていた重い腰を上げて、立ち上がった。その時だった。


「ゴホッ! え? 何これ?」


 カレンが咳をして出てきたのは、血だった。


「グホッ、ガホッ、ゲホッゲホッ!!」


 またしても、血を吐いた。


「……な、んで?」

「キュ! キュル!?」


 ヒューは心配そうにこちらを見つめている。


「だい、丈夫、だよ。ゲホッ!」


 カレンはなんでこんな事になったかを考えていた。やはり、最初に思いつくのは、


「何か、毒あるもの、食べたかな?」


 何かに毒が混じっていたことを最初に疑った。しかし、カレンたちはまだここに来て、こっちの食べ物を食べていない。


「そ、うだ。あの本に何か、書いて、ないかな」


 カレンはすぐに亜空間からあの本を取り出した。目次を開いて、至る所に目を走られる。


「あった、注意事項」


 そこには、色々と書かれていたが、今はこの状態をどうにかすることが先決だ。


「何か、何か、ないのか?」


 カレン必至に本を読む。ヒューはカレンのすぐ側で、心配そうにこっちを見ていた。


「大丈夫、だよ。ヒュー、心配、しないで」


 それから、数秒後。


「あった! えーと、なになに?」


 そこには、こんな事が書かれていた。


 作者よりの注意事項。その島には、魔力がとてつもなく充満している。私は、至る所で、魔力が結晶体になった物を見つけた。きっと、あっちには、たったの一つも無いだろう。戻ったら売ってみるのもいいだろう。


「って、これじゃ無い!!」


 追記。空気中の魔力は、自分が使った分の魔力を補充する役目もあるが、とてつもなく魔力が多い所だと、時として毒になりうる事もある。それが、この場所だ。ここにいる間は、魔力を内に収める事をお勧めする。その内、この魔力の量に慣れる時が来るだろう。その時までは、魔法は使えないぞ。


「追記の方が重要性高いだろ!! ゲホッ!! っと、急がないと。魔力を抑える。こんな感じかな」


 すると、体の調子が少し動きにくさは出たが、もう咳をする事は無くなった。


「やっぱり、魔力を抑えると身体能力は格段に下がるよな。この状態でここの魔物と戦うのは地獄だよ」


 こうして、カレンとヒューの何処か分からない場所での生をかけた戦いが始まった。

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