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縁談

ガタガタと馬車に揺られる

「お話って何でしょうかね、リア様」

「ディートリヒ様教えてくださらないわね。」

チラリ、とディートリヒを見るリア

「…王宮についてからでございます」

「ふふふ、ケチ。」


『貴族様!お願いでございます』

『貴族様!!』


馬車の外から声がかけられる


「…最近治安が悪くなっているのでは?」

「左様でございます。不作が続いているので…この馬車が王族が乗っていると気づかれれば何があるか分からないので、お気をつけを。」


『ほら、貴族様から』

積んでいた宝飾品をまく


「…不作の原因は?」

「虫による害と聞きます。今、鄧国トウコクに支援を頼んでおります」

「…そうですか」

話をしているうちに王宮へと着く


「お帰りなさいませ。リア様」

「リア様お帰りなさいませ」

「ただ今。」

「リア様。国王陛下がお待ちでございます。」

国王付きの執事が呼びに来る

「リア様はお召し替えしてからお伺いいたします」

「かしこまりました。」


私室へと移動する

白のシャツに濃紺のドレスから淡いピンクのドレスへと着替え、国王の私室へと向かう


「陛下。アリアドネ王女様がお越しでございます」

「通せ」

「は。」


「アリアドネ様。どうぞ」

国王の私室へと通される

「お父様、ただいま帰りました」

「ご苦労」

いつもはにこやかに話すのだが、今日に限ってアリアドネに似た美しい顔にシワが刻み込まれていた

「お父様、ご用事というのは?」

「こらこら、そうそう話を急いてはいけないよ」

「お兄様!」

笑いながら顔を出したのは次の国王候補の第1王子のブルーノだ

「ブルーノ殿下、御機嫌よう」

「やあ、クリスティーナ。いつもリアがお世話になってるね」

「いえ、こちらこそリア様にお世話になりっきりで」

「お前たちを呼んだのはな」

眉間に皺を寄せて話し始めるアロイス

「リア、お前に縁談が来た」

「まあ、そうですか」

大国の王女であるリアは縁談は覚悟していた事だった

「相手が問題なのだ。相手は、東の国の果て、トウの皇帝、華焉カエン殿だ」

鄧は東の果てにある帝国で、皇帝の華焉は25歳、18歳のリアより少し年上だった


「鄧、でございますか?」

「ああ。ノイワールの王子、エドワードがいるだろう。エドワードの父、アゼル国王とは親交があってな。縁談を持ちかけようとした矢先にこれだ。どうする?断るか?」

「鄧とは交友関係を結びたいとおっしゃっていたではありませんか。しかも今回、食料援助を願っているのでしょう?ならば断れば関係が悪くなってしまいます」

「…いいのか?」

「ええ。このままこの縁談、お進めくださいませ。」

「わかった。進めるぞ。

それとな、クリスティーナ。そなたにはリアについて鄧国に行って欲しい」

「わ、私ですか?」

「ああ。そなたにはリアの侍女頭になって欲しいのだ。そなたはアルトマイアー公爵家の娘としてこの国にいても結婚は容易いだろう。だが、そなたしか頼める者はおらん。」

「私は、誰になんと言われようともリア様と共に鄧へ行きます。」

「クリスティーナ…」

「リア様、これからも末永くよろしくお願いいたします」

「こちらこそ、よろしくね」

「よし、2人の支度は王の命で急がせよう

ディートリヒ、頼んだぞ」

「かしこまりましてございます」

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