第6話
「ふう。やっと着いた。世界樹から結構かかったな。まあね~距離はそんなになかったよ。距離じゃないんだよ。ここ重要だからね。2回言ったよ~ね~先生方~。」
すごい量の宝石だったので興奮しました。
あれだけの数を鑑定しないなんて鑑定家としての、存在意義の問題です。
貴方が興味なささ過ぎるのです。いいですか。あれは全員で働いた当然の報酬です。仕事をしたなら対価を貰うのは当たり前のことなのです。それを何を考えているのかほぼ全部置いてくるなんてどうなっているのですか?アイテムボックスの中に入り切れないぐらいあるわけでもないし全然余裕なのに!全部入れても全く問題ないのに!それを貰わないってことは貴方自身の仕事内容に何かまずかったことでもあったのですか?どうなんですか?
「あ~もー。わかった。分かりました。僕が悪かったです。でも、だからと言って僕の体を支配するのはやめてもらえるとやめてもらいたいです。全員で奪い合ってあれでは僕の体持ちません。」
それは、謝ります。ごめんなさい。
ごめんなさい。
そうですね。それはやめるようにしましょう。でも、今回みたいに私たちの働きが無駄になると判断するとその限りではありません。
「はいはい。覚えておきます。それにしても先生方、特に知恵蔵先生が人間みたいに自我をもってしまったと気がするのだけどそのあたりはどうなんでしょうか?」
気のせいです。
きのせいです。
キノセイデス。
「まあいいけどね~。じゃ。え~コホン!改めて湖に来たぞ!本当にでっかいな~。ん~っと、でっかいどう?」
もしかして、北海道をもじった”でっかいどう”ですか?どうなんですか?
「ごめんなさい。正しくそれなんですが、これ以上のひねりは有りません。」
そうですか。突っ込めないボケはきついので余り言わないことを望みます。他の子達が困ってます。
「はい、すみません。なんとかひねろうと頑張ったのですが出ませんでした。これからも頑張っていきますので次は期待してください。」
まあいいでしょう。今回だけですよ。
「ふう、なんで独り言まで突っ込まれなきゃいけなくなったのだろうな~。口にしないで考えただけでも突っ込まれちゃうんだよね~。困った困った。」
まあいいじゃないですか。それよりも本来の目的を行いましょう。
「うんうん。そうだねぇ~。そうだよ。世界さんの依頼でだいぶ時間を取られちゃったからね~。世界さん、このまましばらくいてくれって言うからそれは断ったのだけど寂しがり屋さんとかかな?」
そんなことあるわけないですよ。自分の世話をやってもらいたかっただけですよ。猿だと細かいとこまで面倒を見れないし貴方だと細かいとこまで見れるでしょ。本来ならここにはエルフ族かダークエルフ族がいるはずだったのではないですかね。でも、ここ等あたりの魔力の源である魔素が強すぎて住めないでしょう。だから、仕方がなしに猿が代用で世話をしてたのじゃないでしょうか。
「ふ~ん。そうなんだね。時間取れるようになったら世話してあげてもいいけど。無理だろうね。それにこの森ではミルクが取れないからある程度したら人がいるところに行って買うしかないし、いろいろ見てみたいしそう考えると世話はできないだろうね。」
それでいいと思います。貴方は貴方のやりたいことをやっていけばいいと思います。
「うん。勿論そうするよ。で、まずは湖から魚とか貝とか海藻?とか取ろうかな。」
鑑定よりこの湖には、イシガキカエルウオとアーミンカキとナンテンオオギリというものから出汁が取れます。
「なるほど。うむうむ。イシガキカエルウオは魚かなアーミンカキは牡蠣かなナンテンオオギリは海藻かな。それならアーミンカキとナンテンオオギリは潜って取らないといけないかな?」
そうですね。
「じゃ、魚から取るか。釣り竿とか投網作ろうかな~。」
雷魔法を使用をお勧めします。
「雷魔法あったの?」
はい。あります。使用はいつもみたいにイメージでやってみるといいでしょう。
「イメージね。うん。雷は雨の日に稲妻としてみたことがるからイメージしやすいかな。」
・・・・・・・・・・・プウ。ええ、決して雷様がいるわけでないですから安心してください。おへそ取られないですよ。
「ガアアア。また、僕の黒歴史を!あれは、幼稚園の時の話じゃないか!今は信じてないよ。」
そうですね。でも、つい最近まで疑っていたでしょ。
「まあ、そうだけど。でも、いいじゃないか!誰にも迷惑かけてないもん。雷様の話を聞いたときあまりにもリアルすぎて信じただけじゃん。あれは、園長先生が悪いんだよ!」
そういうことにしときましょうか。
「ちくしょう~。やる前から疲れた。」
強く生きてくださいね。
「もう、早くやっちゃおう。これ以上黒歴史をばらされたくない!ええっと雷のイメージ。イメージ。」
大雨注意報が出たとき小学校で見た横にのびた青色だった稲光あれはすごかった。きれいだった。あとはTVのニュースで見た縦の稲光あのイメージ・・・・・・。
「湖の中に、ここに稲妻ゴロゴロ、ゴロゴロ。ピッカ!サンダーボルト!!!!」
湖全体に稲光が走り抜けた。
「ガアア・・アア・・・。いいっだ~。」
稲妻は僕の体にも走り抜けた。そう、湖に手を入れていたのだ。
「いっだ~~~!」
その場に体を抱えてゴロゴロ転がり痛みが引くまで転がりまくった。
暫くして痛みがなくなり、辺りを見回したら湖の水面に多くの魚が浮かんでいてなかには鰐も数匹いた。
「痛かった。めっちゃ痛かった。僕が悪いのだけどこれは痛い。HP確認したら半分近く減ってしまった。だから魚たちは耐えれなかっただろうね。青いイナズマが僕をせめーる。僕の~かーらーだ。駆け抜け~るって歌が浮かんだよ。まさにそれを体験したよ。それに濡れて手で電気触ったら感電するからやめなさいっていう注意が有るけどホントこれは死ぬよ。いや死ぬね。」
まだ痛みが残っている体をさすりながら、改めて湖の水面を見た。
「鮭ぽいのと鰻ぽいのと海老みたいな蟹?と小魚と鰐か。いっぱいとれたな~。鰐以外は全部感電死ね。うむ。こっちも危うく感電死しそうになったな。鰐は仮死状態ね。では、鰐さんお命頂戴いたします。」
鰐以外の魚類を全部アイテムボックスしまい込んで鰐をとどめを刺すため岸にあげた。
「アリゲーターか、皮・キバ・爪・肉が売れるってことか。肉は固いと、あれなんだったけ何かで聞いたことがあるのだけど外人は牛の肉も堅めの方が好きで和牛みたいに柔らかいのは好きではないってだから鰐の肉は外人に喜ばれると聞いたことがあるな。なら、処理方法は首チョンパに使用。では、ごめん!」
鰐は全部で8匹いた全長は7~8メートルぐらいあり大体あっちの世界と同じぐらいの大きさかな。それを空間魔法で尻尾を上に頭が下になるように持ち上げ風魔法で首を飛ばしていった。この方法にしたのは解体をするのに楽なのと血抜きも兼ねてやっている。
「じゃ、いつものようにミスリルショートソードとナイフを取り出して解体しますか。あっちの世界にいたらこんなことできなかったな~。出来なかったというよりやる必要なかったしな。僕だって普通の中学生だったんだけどな~。普通の中学生ならたぶん血を見るのがいやとかグロイとか言って出来ないだろうね~。僕は結構割りきれる性格だから最初から血とかグロイの見てもなんとも思わないかったしね。愚痴っても仕方がないか。早くやって次の採取とか狩りとかまだまだやることが多いなんだから早くやっちゃおう。」
鰐を吊るした下に大きな穴を掘り解体して使えないものをどんどん入れていき、すべて解体し終わって穴を埋めた。
「次は、牡蠣と海藻ね。水着は作ってないからまた全裸か。全裸になるの嫌なんだけど仕方がないね。水着も作らないといけないな。ほかの服も欲しいな。ほしいものだらけだね~。よし!脱ごう!」
スポーンっていう表現がいいかな?脱いだよ。全裸だよ。私脱いでもすごいんです!
「牡蠣はナイフでほじくるといいかな。海藻も切ればいいか。じゃ行くぞ。」
僕は湖に飛び込んだ。水の中は澄み切ってきれいだったので視界はかなりクリアだったのと事前に場所を鑑定先生と索敵先生に教えてもらっていたのもあり牡蠣と海藻の場所はすぐわかった。
狙いをつけて一気にダイブしナイフで岩から剝がしてアイテムボックスの中にいれ、一旦水面に浮上して息継ぎをしてまた潜るという繰返しをして辺り一面の牡蠣と海藻を採取した。
「結構集まったけどやり始めた時間がかなり遅かったせいもあってこれぐらいにしよう。正直まだ欲しいけど日も暮れたし見えなくなってきたしね。」
水に入り冷えきった体を温めようとたき火でもやろうかと思ったがいつも拠点のログハウスを持ち歩いているから風呂があることを思いだし風呂に入ることにした。アイテムボックスから風呂を選択し風呂をだし水をいれファイアボールをいれ沸騰させた。これってティ○ァールの30秒でお湯が沸くのと一緒だよね。
「ふうーいいお湯。これいいな。やっぱ風呂って最高!」
満天の星空がいいよね。たぶん大人の人だとお酒を片手に月見酒するのだろうな~。僕は未成年だからお酒は飲めないけど気持ちいいって気分は分かるよ。ん~早く大人になりたいよ~。
「流石に今日は猿どもも襲って来ないだろうね。全滅させたもんね。今日は寝れるかな?」
そうですね。この近くで魔物の接近はありません。
ここで寝ても問題はありませんがもう少し北に行きましょう。そこには果樹が集まっている場所とサトウキビの群生地があります。
今の貴方だと、どこで寝てもいっしょですよ。この森の最高位に当たる猿どもを潰したのだから問題はありません。ここに来た目的は、サトウキビを手にいれることです。
「うん。わかった。体拭いて服着たらいくよ。家を置きたいので近くに広いところがあったら教えて下さい。」
了解しました。今現在いる場所は湖の南側です。ここから北東方向へ行くと果樹が集まっている場所があります。果樹があるところに少し広い場所を確認しました。そのまま進むと海へいく支流にあたります。そして、ここから北西へ行くとブラックバウンドマンモスの巣があります。そのブラックバウンドマンモスが食べている土が石鹼類・洗剤類を作る為の材料の一部です。そこから草食エリアと虫エリアと渡って石鹼類・洗剤類を作る為の材料取っていくルートがいいと思います。
「オッケー。そのルートでいこう。準備も出来たし~じゃ出発!」
果物か、いろいろ取れるといいな~砂糖は絶対いる。砂糖があれば料理の幅も広がるね。あれ~さっきマンモスが食べている土が材料の一部だって言ってたよね。マンモスの食料奪うのはどうかな?猿みたいに襲って来たのなら容赦はしないけど、この場合僕が襲うってことだから嫌だな~。そっと近寄って土だけこっそり貰おうかな?それか話が通じる相手なら話してみるか。
「考え事しながらだけど、案外近かったな。着いた。ざっと見ただけでリンゴ・レモン・オレンジ・葡萄・イチゴか。少し離れてサトウキビっと。うむ。なるほど。夜じゃなかったらよく見えるのだろうけど。これからも、暗いところで活動することがあるだろうからライトでも作ろうかな?」
ライトなら魔法で照らせばいいじゃないですか。
「えっ?ライトの魔法あったの?」
はい、ありますよ。
「本当~?。なら早く言ってよ。」
いらないから使わないのかと思いました。ちなみに、さっき湖に潜った時貴方だったら風魔法を体に纏わらせそれを空間魔法で包み込んで潜ることができたのではないですか。そうすれば、服を脱がなくてもいいしいちいち息継ぎをする為に水面まで戻らなくても良かったはずですよ。まあ、貴方は裸になるのが好きみたいなので止めませんでした。
「ガハッ・・・・・・。そそんなあ・・ななんで言ってくれなかったの?もう!チョットおね~さん!知らないのだから仕方がないじゃん。僕がいた世界では魔法使わないもん。」
そうですね。なら次はアドバイスしましょう。今はライトの話でしたね。ライトには火と雷の2種類あります。火の魔法の方はファイヤーボールを使って雷の魔法はサンダーを使います。火の魔法は、爆発と熱を無くしたもので初級魔法使いなら誰でもできます。用はファイヤーボールの失敗作ですが魔力の消費は非常に少ないのがメリットです。デメリットは、照度が弱いため薄暗いことです。ああ。貴方の世界でヘ〇ス・ソ〇プ・ラ〇ホ〇ルの場所の明るさと思ってもらっていいですね。
「だああ!もう!僕はヘ〇ス・ソ〇プ・ラ〇ホ〇ルとか行ったことなんてないからわからないよ!ホントにもう下ネタはいいよ。次!雷は?」
雷魔法も衝撃を無くしたサンダーを使います。こっちのメリットは照度は明るく長時間照らせることですね。貴方の世界でいう電灯並みの明るさです。
「へえ~それいいね。デメリットはもしかして感電するとか?」
デメリットは、髪の毛が丸まってパンチパーマになることです。
「ウヘッ!パンチパーマか。困ったな~。まだ行ったことないけど町の人達の中でパンチパーマの人多いいのかな?ん~想像したらなんかいやだな~。でも、まあ~あの人もこの人もパンチパーマならみんな気にしないか。それなら、僕は火魔法にするか。」
ああ、すみません。間違えました。デメリットは魔力の消費が少し多いことです。貴方なら関係ないでしょうけど。
「チョットおね~さん!そんな間違えどうなの?僕本気で信じちゃったじゃない!頼むよ~。」
ああ、すみません。間違えました。デメリットは魔力の消費の問題と照度の調整が難しく明るすぎたり暗すぎたりすることです。
「2段階かよ!まあ、それ位ならいいけど~もうない?3段階はいらないよ。」
チッ
「え?今!チッって言った!チッって言った!なんだよもう。ふう~困った先生だな。デメリットはどっちもたいしたことはないっと。なら、僕は明るいほう取ろう。最後に確認パンチパーマならないよね?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・グッドラック!
「なんか、親指たててニヤッて笑う姿が想像できるよ。笑顔も爽やかではなくワッルイ笑顔でしょ。ふう。落ち着け~落ち着け~絶対失敗しない。アイキャンウィン。」
光のイメージは、蛍光灯だね。これは簡単かな。ピカッピカ。こんなものかな。
「光の精霊よ!私のもとへ。」
何言っているのですか?貴方が精霊魔法は絶対できません。出来るのはエルフ・ドワーフなどの妖精族と聖女の一部の者だけです。まあ、人間やめるのならできるかもしれませんが、今までやった人間はいませんけどね。
「ごめんなさい。なんとなく思い浮かんだので言ってしまいました。コホン。それでは改めて・・・・ライト。」
目の前に光があったよ。結構まぶしいが僕が向こうで見ていたぐらいの明るさだと思う。成功だね。うん成功だよ。だけどね。
「イメージを丸形の蛍光灯にしたのが大失敗だね。これ恥ずかしいな。」
頭の上に置いてみたらいいのではないでしょうか。両手があいていいと思いますよ。
「うん。こうやって・・・・って、天使かよ!」
これを狙ってやったんでしょ?いいですね~。
「狙ってやってません。偶然です。でも、これってライトの魔法使う度この形かな?」
ダッツライト!
「ガハッ!やり直しを要求する!・・・・できないかな。仕方がないからこれ使うか。でも頭の上にはおかないよ。これだけは譲れない!」
かわいいのに仕方がありませんね。
「それは絶対嫌だからね。まったくもう。」
それはそうと、髪の毛大丈夫かな?そ~っと髪の毛撫でて湖の水面で姿をみた。そこには黒目・黒髪のいつもと変わらない僕の顔があった。
「良かった~。パンチパーマになってなかったよ~。」
ブハハハハハハハハハ。腹が痛くなります。面白いです。
ブハハハハハハハハハ。これは、面白いです。いいです。
アッハッハッハ。あ~可笑しい。本気で信じたのですか?あ~おかしい。
「チックショウ!もう誰も信じない!ふんだ!」
あ~笑ったです。面白いのでこれからもよろしくお願いします。さて、こっからが本番ですよ。サトウキビ取りましょう。
「うん。そうだねぇ。刈っちゃおう。でも、これって全部ほしいのだけどどうなんだろう?これ食べにくる魔物いるかな?」
サトウキビはいません。だから問題ありません。全部刈ってもまた2~3日で元に戻ります。果物もいっしょなので問題ありませんよ。果物は、猿が来るみたいですが稀だし今は貴方がいるからここには近寄らないでしょ。サトウキビも果物も循環させて新しくしたほうがもっとおいしくなりますよ。
「なるほどね。それなら遠慮は無用!根こそぎいただきます。ん?猿が来るの?全滅させたはずなのに逃げたのがいるの?」
いえ、それは違います。世界樹様にいたのとは別に群れから追い出された猿が少数ですが存在します。ついでに殲滅させるおつもりですか?それなら、索敵に場所を聞いてください。
「いや、猿はしばらく見たくない。めんどくさい。猿の件は分かりました。じゃ、サトウキビ刈ろう。風魔法使おうか。鎌作ってはいるけどどっちが早いかと言ったら魔法だろうね。」
いえ、一番早いのはタゲ合わせて一気にアイテムボックスに入れるのが早いですよ。もしかして果物も手で取ろうとしてますか?
「うん、手で取ろうとしてました。」
それなら、今教えた方法でやってください。
「はい、ありがとうございます。すぐに実践します。」
サトウキビの群生地の面積はおよそサッカー場位の広さであろう。人が機械で刈ったとしてもそれなりの時間がかかるだろうが、僕の方法は一瞬だ。カップ麺が出来る時間で終わってしまった。果物も同様に終わった。時間も時間なので今日はここまでにして明日の朝量の確認からすることにして休んだ。