第4話
「はい!はい!はい!はい!おはようございます!本日も快晴です!素晴らしい朝です!いいですね~。今夜も期待どおり襲ってきました。いや~いいですね~素晴らしいですね~映画っていいですね~それでは皆さんさよなら。さよなら。さよなら~。って違うって!あまり寝てなかったからテンションが変だな~僕ってこんな可笑しい子じゃなかった気がするのだけど。時と場合によるとか、もともとあった性格が開花したのではないかとか、全然普通だから頑張って生きてくださいとか先生方突っ込まなくていいです。」
今回は、準備と心構えもできていることもあり襲撃にも余裕をもって対処出来た。お猿さんが89匹、狼が10匹、虎が2匹、合計101匹。ん?もしかして、101匹ワンちゃんを狙ったの?そんなことないよね~。で熊と蛇は居なかったよ。
「ここまで作戦がはまるなんて、先生方すごすぎて言葉もでないよ。前回は結構みじん切りにしてあまり原形とどめているのがなかったからね。よくみたら少し大きめのお猿さんの首にネックレスしてるじゃん。これってチンピラ感ハンパないね。」
今回の作戦はログハウスを建てた場所を広場にして、そこの真ん中に僕が寝てる。で、集まって襲ってきた魔物達の上に飛んで下にいる奴らを空間魔法で閉じ込め水球をなかにいれて火魔法で熱湯にしてグツグツ煮る。いつもと同じスタイルだ。そうだなそろそろ名前つけるか。何がいいかな?ん~【水牢地獄】か。いいね~流石先生センスがいいね。
「じゃあ。また解体から始めるか。お猿についているこのネックレスはルビーかな?・・・・正解か。わ~い!でもこれはいらない。ポイっと。えっ?ごめんなさい。食べれないし興味もないし価値もわかりません。はい!わかっています。全部回収してアイテムボックスのなかにいれます。はあ~。怒られちゃったけど気をとり直して解体しよう。」
猿は最初にネックレスを取ってから魔石回収あとは土のなかにポイ。狼と虎は、肉ポイ。あとは回収。なんかこの作業初めよりかなり早くなった気がするな~。後でスキル確認しとくかな~。今回の骨でボタン作ろうかな。そうしたら知恵蔵先生が喜んでくれる服ができそうだ。だけどね~あの服だけは絶対着ないあれは僕の黒歴史だから・・・。服のこと考えたら最初に黒歴史の服を推してくるから、これだけはあえて無視してます。
「うん。終わった!数的に言ったら昨日とあまり変わらないけど猿ばかりだから楽だったかな?あとの作業としてボタンを作ってボタンはサイズ違いのをいっぱい作ろう。ボタンができるからシャツと作業服を作って、鹿の皮の余りで革手袋・革ベルト・革ジャンと革ズボンを作ろう。鹿肉でハムとベーコン作って他の肉で揚げ物系とおかずになるガッツリ系を作ってから直ぐにアイテムボックスの中に収納しよう。僕の持っているアイテムボックスの中は時間経過しないから揚げたて出来立てに出来るから保存食としては最強だ!油は菜種系の種が手に入っているからそれを使おう。味見しながらやればご飯も食べれるから、効率もいいな~。あと、知恵蔵先生が教えてくれた錬金で酵母ができたから食パン・ロールパン・コッペパンとか焼こう。では、作業開始。」
まずは、ボタン作って各服の裁縫を終え、裁縫スキルがあると楽だね~。小麦をこねてねかして、ハム・ベーコンの下準備、各肉の加工、熊と蛇はどちらかと言ったらA5ランクの和牛に近い味だったからステーキがメインになるかな。鹿はあっさりしてるからハムとベーコンとかがいいな。鳥はやっぱり鳥の味がするしかも臭みが全くないのはいいね。唐揚げと焼き鳥がメインだね。ウサギはいろいろ混ぜてミンチにしたハンバーグとかつみれ系などのひき肉がメイン。どれもこれもウマイの一言しかでなかった。こんな素晴らしい素材をあつかえるのだから不味いはずはない‼食料問題は結構改善している。あとは砂糖、酢は絶対欲しい。マヨネーズとケチャップとソースは調味料類がそろえば作れるからね。あとは白米があればいいな!どっかにサトウキビとかないかな?鑑定先生この森ありませんか?
「え?本当!あるの!取りに行く!絶対行く!場所は?肉食系魔物が多いエリアを通って湖があるそこの近くにあるの?オッケー行きます!今すぐ行きます!絶対行きます!しかもそこにはいろいろな種類の果物が多くあるの?やった~~~!根こそぎとる!湖があるってことは、魚もいるってことだよね?出汁とれる魚とか貝とか昆布みたいな海藻とかいるかな?・・・・いる!ウッシャ~!かなりやる気出た!全部しまってすぐ向かおう!」
いそいそとログハウス・システムキッチン・高炉などを全部しまい込んで壊れても構わないものは出しっぱなしにしてさっき作った作業服に着替え出発した。作業服は車などの工場で着ている作業服をイメージしているからもちろん帽子もあるし兜を溶かして作ったヘルメットもかぶっています。
「進路は、高校進学して他県の大学に行って一人暮らしをして普通にサラリーマンになるかな~って思い描いていたな~将来何がやりたいっていうのもないし、やりたいな~って思ってもなれないじゃん。例えばさ~サッカーが好きだからサッカー選手を目指すとかさ、宇宙飛行士になりたいとか言っても駄目だということになるし、現実を見ろって言われるし。だからスーツ着てネクタイしめて革靴はいてのサラリーマンになるだろうと思っていたけど、まさかこの歳で作業服着るなんて思わなかったな~作業服着ての仕事は考えてなかったもん。それもあって作業服って言ってもデザインはこだわったよ。ポケットもいっぱい作ったし背中に刺繍もいれた。だから、特〇服に近いかな?背中の刺繍は僕の名の飛鳥の名前通りファイヤーボールの形で燃えて流れている形の天使の羽にしたよ。かっこいいでしょ?ちなみにヘルメットには安全第一って文字も焼けつけました。」
かっこいいですね。
「そうでしょ!嬉しいな!これなら汚れてもいいからいいよね。そうだった。今まで着てた服洗っておけばよかったか。洗うといってもお湯で汚れをゴシゴシするだけだからそれほど奇麗にならないだよ。石鹸とシャンプーと洗剤も作らなければならないのだけど、今から行くところで材料取れないかな?取れるの!取れるけど全部揃うには帰りに草食エリアと昆虫エリアに行かないといけないか。だけど、昆虫エリアでとる物はレアの昆虫だから難しいか。それなら頑張って見つけよう。うむ。・・・・・・?」
(少年よ。力ある人間の少年よ。どうかこのおいぼれを助けてくれまいか?)
「先生何かいった?」
私たちではありません。
「そうだよね~。先生たちの声とは全く違う声だったからおかしいと思ったんだ。」
索敵結果、目の前の樹木から語りかけていると推測します。
鑑定結果、トレントの上位種であると言えますが本体ではないためこれ以上の鑑定は不能。
トレントは偽装が得意の魔物です。警戒必要です。
「うん分かった。ありがとうございます。」
上から、索敵先生・鑑定先生・知恵蔵先生の順でアドバイスがありました。僕が聞いたり思ったりしたら誰かしら答えてくれているから決して独り言をぶつぶつ言っている怪しい子じゃないんだよ~。そこ重要だから覚えててよ。絶対だぞ!
(少年よ。力ある人間の少年よ。どうかこのおいぼれを助けてくれまいか?)
「ん~っと。助けるのはいいけど。声は聞こえるけど姿が見えないからどうしようもないよ~。」
(すまぬ。今は力を失いかけていてそれはできぬのじゃ。今話しかけている樹木に触れてもらえば姿を送ることはできる。それで勘弁してもらえんか?)
「この木でいいの?」
僕は、躊躇うことなくその木に触れた。
(少年よ。触れろと言ったのはワシなのだがな、そのワシが言うのもなんだがもう少し疑ったほうがええぞ。)
うんうん。
怒。
・・・・・・・・・・・・・・プッ。
「コホン。いや~こういうのって信じないと進まないじゃん。騙されていたらいやだけどね~。騙すより騙されるほうがまだましかな~っていう性格なのだからいいんだよ~。これでいいの。それより、頭の中に流れているので立派な大きな樹木がそうなのかな?」
(うむ。そうだ。ただの老木だ。この森の支配者から命令されたブラックバウンドモンキー達が老木の世話と守護をする為に住みついている。最初の方は甲斐甲斐しく世話と守護をしてくれていたがワシの枯れ枝や葉や果実がうまいとわかり徐々にそれらを使って周りの魔物達を支配下に置いていった。ワシはそれでも良いと思っていたのだがな。最近ではワシの本体まで穴を開け根こそぎとろうとしてな、お陰でワシの力が弱まり難儀してたとこだったのじゃ。そこに少年が現れたということじゃ。)
なるほどね。猿って頭いいからそんなこともできるか、それにしても猿の名はブラックバウンドモンキーっていうのだ。あまりにも多かったし名前覚えるの苦手だから今まで猿って呼んでいたからな~。ちなみに、熊・蛇・虎・狼も名前の頭にブラックバウンドがついてグリスリー・アナコンダ・タイガー・ウルフとつくらしい。ブラックバウンドとつく魔物はこの森の最高位にいる魔物で勿論つかない魔物も近くに住んでいるからちゃんとした生物ピラミッドができている。ちなみにここまで来る間に猪とコブラとオーガを狩りました。猪がブラックジャックピッグ。コブラがブラックキングストンコブラ。オーガがブラックフェイスオーガという名前だった。
これからはできる限り名前覚えよう。老木にも名前あるのかな?老木の姿は幹が太く葉や枝が三角に広がっている樹木で屋久杉の木を大きくしたようなものだった。たぶん進行方向にあるあの大きな木だろうな~。この姿から想像すると名前はおののき?
面白くありません。
面白くありません。
つまらん~。ダメじゃん~。センスない。落ちない~。受けない~。おもろくない。
「ガー!いいじゃん!べべ別に受けようと思って言ったわけじゃないもん!コホン。え~っと。ここから進行方向に、たぶん8000メートル位離れた所にあるあの大きな木のことですか?」
(そうじゃな。)
「ふ~ん。なるほどね。へ~。」
何気なく見ていたら、いきなり視界が近くになっていき、まるで高性能のカメラがズームでよったように見えてきた。
「あれ?何かのスキル取ったかな?いきなりズームで見えてきた。」
千里眼です。良かったですね。これで覗き放題。
「ななな何言ってるの!そんなことするわけないじゃん!もう失礼だな。でも今回は使うけど。コホン!え~っと、そう言うわけで少し観察します。猿たち僕が遠くから見ていることに気づいてないんだろうね~。仰向けに寝ている奴もいるし、何かの残骸を食べている奴もいるし、あと白いのがウロウロしてそこら中に当たっているな~イライラしてるのだな。周りの猿たちが必死に逃げているね。あれってボス猿かな?ふ~ん。まあいいや。どんな作戦を立てようかな?ああっそうだった。すみません。自己紹介します。僕の名は、タダノアスカです。アスカと呼んで下さい。」
(カハハハハハハ!カハハハハハハ!カハハハハハハ!カッカッカッカ。うむうむ。面白いぞ少年よ!おお!そうだった!そうだったな~!アスカよ!ワシが今まで見たり聞いたりした人間と全く会ったことがない人間だったもんでな!これほど新鮮な事は無い!人間という者は、騙し合い争いを好み自己注ばかりであてにならん奴らばかりだったのでな。稀にいい奴もいたにはいたがそれでもアスカほどの者はいない。名はそうじゃなぁ。世界樹じゃでな~世界でいいわい。)
「はい。世界さん。お願いします。作戦どうしようかな?」
世界樹なら貴方の水魔法を使っても耐えるでしょう。
(うむ。少々なら幹とかに傷をつけてもいいがの~なるべくやめてもらえんか?)
世界樹様はブリザード系を考えておられるみたいですが、この子は使いません。文字通り水を使います。
(水じゃと?どうするのじゃ?まさかと思うがワシを覆う水を出せるのか?さすがに無理じゃろう。)
出来ます。この子なら余裕で出来ます。
(そうか~それなら期待しとくかの。ではそれで頼む。)
「なら、作戦はいつものように水球作ってグツグツ煮るの?水圧も加える?」
(ちょっと待て!煮る?煮るとはどうゆうことじゃ?水圧をかけるのはよくわからんが雰囲気からするとやばい気がするぞ!煮るのと水圧をかけるのはなしじゃ!」
・・・・・・・・ふう。仕方がありません。なら、冷水にして水球の大きさは世界樹様の2倍の大きさにしましょう。
(冷水か。まあいいじゃろう。それなら何とか耐えれるかの。)
「なら、近くまで行っていつのように水攻めだね。だけど、冷水か初めてだからうまくいくかな。」
貴方ならできますよ。ここで少し練習していきますか。大きいのはいいので豆粒サイズでいいでしょう。
「うん。じゃ、やってみるか。」
冷水、冷水、冷水っか。水が氷る温度が0℃だったよな。それってことは1℃ぐらいかな?なら氷をいれて細かく砕いたのをイメージする。
「冷水!」
僕の手に豆粒サイズの水球が出来ていた。それを手のひらに置いた。
「ブレイク!うっわー冷た~。これ成功だね。うん。オッケーできるよ。じゃ、近くまで行ってやろうか。」
索敵先生に周囲を警戒してもらいながら世界樹を目指して歩を進めた。