第2話
○ュ○ピー30分クッキング。テレッテテッテテ、テレッテテッテテ、テレッテテッテテテテテテ。
「本日は、ジャイアントスパイダーを使ったお肌にやさしい料理を作りたいと思います。材料はその時々によって変化するので臨機応変でお願いします。」
水球をつくって、ジャイアントスパイダーを巣ごと巻き込んで10分間放置、その後15分熱湯で煮込み蜘蛛の色が黒から赤色になるまで待って残り5分そのまま蒸らして出来上がり。
「鑑定先生曰く、スパイダーの足は美味しいらしいです。魔物の肉と違ってあっさりしているとのことなのでサラダに混ぜるといいでしょうってさ。」
僕のアイテムボックスには、4匹ほど入ってこれで5匹目だ。あと2匹いるらしいけど、その2匹が逃げ出してこの近くにはいない。索敵先生の範囲外にも入ってないぐらいどこか遠くに行ったらしい。そこまで恐れられちゃったのかな?全部狩って全滅させちゃったらここら辺の生態が変わってしまうのでないかと少し心配した。だけど索敵先生曰く僕がこの場を離れてしばらくしたら帰ってくるし魔物はすぐ復活するから全滅はあり得ない。だけど、ここまで大きな個体ではないがその分数がウジャウジャ増えるらしい。
「なら、問題ないか。せっかくだから足を食べてみるか。ここはミスリルショートソードでつなぎ目を狙って切ると。・・・・・・うむうむ。断面を見る限りカニかな?なら煮込むときに塩を適量入れておけばよかったかな?まあいいや。実食!いただきます!」
うん。これはカニだ。これはこれでいいけど、やっぱり塩ゆでしておけばよかったな。そうだな、やっぱりカニ鍋だな。その前に鍋じたい作らないとやること多いな。さて、そろそろ寝床に帰ろうかな。
でも、さっき索敵先生が教えてくれたのだけど、ここは昆虫エリアで文字通り昆虫ばかりいると昆虫の殻は加工すると防具になる。あと、麻の花を食料にしているから麻の綿毛が手に入ると言うことだ。
ならここら辺、採取していくか。それでは、鑑定先生おねがいします。
うわーいっぱいだー。取り放題だ!よし狩り取り開始.
「どんどんとってどんどんとって、これって麻ってことだからもしかして麻薬の原料になるのではないかな?まあ、綿取ったらあとは焼却処分すれば問題ないか。結構取ったしこれぐらいとればいいかな?量がなかったらまた取りに来ればいいか。」
ではでは、そろそろ帰りましょうか。
「はい、帰ってきました。そんなこんなで、スパイダーを解体しましょう。足はそのままばらしてまた水球作って塩をいれて煮込んでに本体は毒袋と糸袋と魔石に分けて中身は食べれないから穴を掘って土に埋める。という作業を5匹分やって、本体の殻を鍛治でフライパンとか寸胴鍋とかフライ返しとか中華鍋とか大中小つくって残りは釘を作ると、そのあと糸車を作って糸にして機織り機を作って生地にすると糸車と機織り機の材料は僕が風魔法で倒した木材で作る。その流れで作業開始!」
すべては、服を作るため変態仮面から逃れるため頑張って作るぞ!
僕は向こうの世界にいるときからいろいろ作るのが好きだったから段取りよく動けるつもりでもあったけど、知恵蔵先生はその上をいきどんどん物ができていく。動いているのは僕なんだけど何だろう体が勝手に動いてくれるから第三者としてみることができてなんだかおもしろいな。
解体、鍛治、工作が終わったのが4時間ぐらいで全部できた。さてと。
「糸車と機織り機に魔石を組み込んで材料の綿と糸袋をセットして魔力を流すと糸と生地ができると・・・。ではではセット完了!いざスタート。」
おお!動いた動いた。出来てきたけどこれはしばらく時間がかかりそうだからほかの作業するか。ちなみに魔石は、向こうの世界で言ったら電気みたいな動力源だと教えてもらった。まあ便利だからいいけど。
「ハサミと針も作っておこう。あと、木材もかなりほしいから、ここら辺の木を全部倒して平地にしてしまおう。本当にやることいっぱいあるけど、体力がありすぎるからまったく疲れないっていいことだな~。」
そうだ!服のデザインどうしよう?あまりファッションには興味なかったからあまり思い浮かばない。うむむむむむ。な・な・なんだと・・・・。知恵蔵先生はそんなこともできるのか?うん。本当によろしくお願いします。よくわからないよね?うんうん。今から説明するよ。
「知恵蔵先生が僕の記憶・経験を共有出来るから何かで見た物を表現できるらしい。だから町とかテレビとかネットとかであまり記憶に残ってなくてもその情報を得ることができる。ってこれはすごくない?すごいでしょ!ただ、デメリットとしては知恵蔵先生に全部見られてしまうとのこと。それは、僕の黒歴史も知られてしまうことだと。それを聞いたら悩むけど、背に腹は代えられないっていうし・・・・いいや。お願いします。」
記憶・経験を共有しますか?
「イエス!」
記憶・経験の共有を開始します。解析します。解析完了。共有完了します。・・・・・プッ。
「ね~ちょっとさ~。知恵蔵先生!最後のプッてなに?失礼だよ!いくら僕だって傷つくよ~。」
すみません。愉快な方だったんですね。あまりにも面白かったのでつい。・・・・・・・・・・・。
「ああ、その名前で言わないで絶対お願いします。」
わかりました。・・・・・・・・。プッ。
「グググググ。・・・・・ふうう。仕方がないあきらめよう。でも、目を閉じると服のデザインが浮かぶからよしにしよう。」
糸車と機織り機の様子を見たがまだかかりそうだ。ハサミと針はもう作ったから木材の伐採をもう少しやりますか。木材がほしいのは、ログハウスを建てようと思ったんだ。雨風しのげればいいかなと思ったし風呂も作ったし服も作るのならタンスが欲しいしからね。そうだ!ミシンがほしいこれがあれば楽につくれるのでないかな?でも、できるかな?チラッ。
簡単な構造のミシンなら作れます。貴方の記憶の中にありましたから。
「いやった~。ではお願いします。」
デッキルッカナ、デッキルッカナサテハテホホ~。
「できた~。ん~?でもこれって何だろう?ミシンぽい何かかな?」
足踏みミシンと言います。さすがにこれは自動ではできませんので貴方が動かさなければなりませんよ。
「ふ~ん。足踏みミシン?僕これ見た記憶はないけどどこで見たのかな?ここに針を付けて、この下のふたを開けてボビン?下糸を入れる。上から糸が付いた針が生地を刺してあげるときに下糸をひっかけて縫い上げることによって上からも下からも縫い上げ、下にあるペダルを足で踏んだり戻したりするとそこからベルトを通じて針が上下に動く仕組みか。早く生地ができないかな?」
待つこと数分やっと出来上がりその生地を手に取ってみた。
「かなり柔らかいな。鑑定先生曰く、最高級の絹と最高級の糸だと。手触りがかなりいいからこれって下着にするといいな。ではでは、最初は下着から作ってみましょうか。」
知恵蔵先生に教えてもらったことが頭の中にあるから楽にできた。
「シャツとトランクスのセットを5組づつできた。早速着よう!ではでは、いい履き心地だな~やっぱりいいな~やっと人間になった気分だよ。次は服だね。ワイシャツみたいなのはボタンがないから今はできないな。なら、頭からかぶるタイプでトレーナーとGパンかな。知恵蔵先生は違うのをさっきから進めているけど、最初は簡単なのから始めます!」
生地を裁断しミシンで縫い上げる。その作業は職人だね。作業すること約30分でまずGパンができた。早速着て、屈伸と蹴りをやって問題なし。続いてトレーナーも作りあげて着ました。
「これでやっと変態仮面からの卒業だ!マント脱ごう。ではスキルオープン。」
名前 タダノ アスカ
年齢 13歳
職業 不幸学生
レベル 9
力 121
知力 189
俊敏 112
器用 178
体力 9999999/9999999
魔力 9999999/9999999
装備
武器 古臭い効果のなくなった勇者の剣
頭部
体部
服 トレーナー・Gパン
腕部
腰部
アクセサリー
攻撃力 231
防御力 100035
スキル 火魔法LV14 水魔法LV25 風魔法LV19 土魔法LV11 空間魔法LV26 錬金術LV17
鍛治LV13 鋳造LV9 裁縫LV12
固有スキル 知恵蔵 鑑定 索敵 アイテム自動回収
賞罰 変態仮面 原始人
アイテムボックス
最上級グレードHPポーション8個・最上級グレードMPポーション6個・最上級グレード異常回復ポーション7個・エリクサー4個・ミスリルナイフ・ミスリルショートソード・壊れた古臭い効果のなくなった勇者の鎧・スモールヒアバードの羽・骨・肉18個・スモールホーンラビットの毛皮・肉7個・岩塩・ウコン・ハーブ・ジャイアントスパイダーの殻・肉5個・大工道具セット・裁縫セット・最高級のマント
うむ。スキルのLVは上がったしいうことはないね。でも。
「なんだよ原始人っていうのは、どんな基準だ!」
裸足だからです。
「うん!ごもっとも!納得!今度は靴か。どうしようかな?マントで作ろうか?でも金ぴかは嫌だしな。」
革靴をお勧めします。
「そうだね。それがいいか。今から行くか。糸車と機織り機はこのまま放置しといても問題ないかな?火を使っているわけでもないし。では、索敵先生お願いします。」
ふむ。ウサギがいたところのエリアか。そのエリアは草食タイプが多いので野菜系の食料も取れるか。なら、行く前にスコップとか鎌とか作っていくか。狩りをする魔物名はビックマウンテントナっていう鹿だって今回も水で行くか。ほしいのは皮だからね。鹿のところに行くついでにウサギも鳥も目に入る物全て倒しながら行くか。肉も欲しいし何でも欲しい。妖怪なんかくれの誕生ダイ!
「結構狩れたし鳥の卵も手に入ったし、野菜と豆類も沢山手に入ったし、薬草もかなり入った。キノコ類もあったけど毒キノコのほうが多かったけどそれなりに入ったんだ。だけどさ鹿なんだけどさ~。大きかったよ。サイズがさ!あれ見たらかなり引くよ。わかる?たぶん体の大きさはサイぐらいかな。僕が引くサイズっていうのはさ!あれの大きさだよ。男のシンボル!デカすぎて地面についているのだよ!かなり気持ち悪かったからやめようと思ったんだけど仕方がなかったから狩りしてやった。熱湯もかなりの時間かけて消毒してやった。ふん!」
その場で解体して、例のあれをその場に捨てていこうとしたら全先生に怒られた。仕方なしにアイテムボックスの中に入れたけどできることなら早く始末したい。バッチイー。
あと4~5頭いるのが見えた。狩ろうかどうしようか迷っていたら1頭だけ突っ込んできたから風魔法で首チョンパしてやった。その他は逃げたからそのまま逃がしてやった。ふんいらん。
「これも早く解体してから戻ろうか。1頭あれば革靴も余裕でできるし革ジャンとか革のズボンも欲しいなあとカバンもベルトもできたら欲しいな~。ではでは帰るか。」
首チョンした鹿も素早く解体し回収して帰還しようと振り返るとさっきまで気づかなかったが木々に隠れて洞窟が見えた。少し興味が出たので寄っていくことにした。
「さあ!何が出るかな~?何が出るかな~?チャチャラッラッラララララ~。」
洞窟の入り口の大きさは約3メートルぐらいだけど奥行きがあまりないたぶん5~6メートルぐらいだった。
「何にもなかった。それにしてもこれってショベルカーの爪みたいなもので削り取ったみたいに見えるな~。ふ~ん。でも、最初にここ見つけてたらここを拠点にしてたかな?壁についてるこれって塩かな?麹菌?・・・・?何だっけ聞いたことあるのだけど?何だっけ?・・・・・・・うぉおおおおお!なんと!あれか。あれの材料の一つか!・・・・・・。材料はそれっているから、あれができるの?錬金で?是非やろう!早く帰ろう!」
壁の一部を剥ぎ取りアイテムボックスの中にいれ、拠点に戻った。
「うんうん、だいぶ出来ているね。いいことだ、たくさん作ってね。糸さんはたさん。どんどん作ってね。さてさて、では本題をやりましょう!用意するのは勿論。麹菌と塩とゆでた豆と小麦です。ふう~よし!錬金!タル~~~~!」
・・・・・・・・・・・・・・・・タル~~~~ってなんですか?
「え?錬金術でかける正式な言葉だとアトリエシリーズではみんな唱えていたので。」
・・・・まあ、いいでしょう。
「なぜかその間が怖いのですが。僕はこれをやっていきます。」
僕は、知恵蔵先生にそう宣言した。
「それはそうとして、出来上がりはどうなのでしょう?」
目の前には、30センチの立方体の桶にはいったものが6個あった。中身は味噌が3個、醤油が2個、失敗が1個できていた。失敗といってもまだ完全な失敗ではなく少し手を加えると醬油になるかもしれないものだった。ただ単純に材料が足りなかっただけみたいだったので先生のアドバイスで、錬金ではなくそのまま時間をかけてやっていこうということになった。
「夜も更けたし、今日はこれぐらいにして寝ようかな。今日はいろいろ出来たし収穫もいっぱいあったし充実した最高の気分で休めるな。明日はログハウスみたいな家を建てたいな。建てて出来たらアイテムポックスの中に入れてみよう。夢は広がる。では、知恵蔵先生・鑑定先生・索敵先生おやすみなさい!」
僕は、糸車と機織り機のカラカラトントンという音を聞きながら就寝した。