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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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魔王様(♀)かくれんぼをする

 魔王様(♀)は先日、かくれんぼを召使い2(ママ)とやってらっしゃった。

 ママが隠れるまで待って、それから探しにいくという複合要素。なんてことないようだが、幼児には複雑な遊びである。

 ただし、そこはさすが魔王様。超然としておられた。


 まず、ママが鬼をやる。

「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」

 部屋に数字が浮かんで、魔王様は意気揚々と隠れるわけだが。

 ママがハッと顔を上げて振り向くと、いる。

 ……そこにいる。

 何もないリビングの真ん中で、照れくさそうな顔をしながら隠れている。

 それじゃすぐに見つかってしまうのではないかと、召使い1(わたし)はハラハラしてしまうが、そこはさすが魔王様。どうやらママには見えない魔法を使っているらしい。

 ママは気付かぬフリしてうろうろと部屋を徘徊。すると魔王様は

「ここでしたぁーー!」

 とばかりに後ろからママの足にしがみついたりしている。

 さすがは魔王様。かくれんぼのセオリー完全無視である。

 しかしそれでもマシになったと、召使い2は言う。

「前は10数えたら真後ろにいたからね」

 ……さすが魔王様。超然としておられる。


 魔王様は見つかってしまったので(?)、今度は魔王様が鬼だ。

 ママは急いで隠れなければならない。なにせ、魔王様の10までの数は、正確には十進法ではない。

「1,2,3,4,5,7,10!」

 さすがは魔王様。数字がたまに時空を越えている。

 しかしそこはママもさすがで、その短い時間で何とか隠れる。

 すると、魔王様がはじめにすることが、

「ママーーーー!!」

 なんと、呼ぶのだ。

「ママーーーーーーーーー!!!」

 声高らかに、そして必死に……。

 さすが魔王様。見つからないのなら呼べばいいらしい。

 かのマリーアントワネットも

「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」

 と言ったそうだが、魔王様もそれに匹敵するくらいの唯我独尊っぷり。ルール無用でかくれんぼに決着をつける所存のようだ。


 しかしさすがのママも、それで出てきてはかくれんぼにならないことを知っている。ドアの裏とかに隠れて柱と同化しているわけだが、すると魔王様は最終手段を行使する。

「ママーーーーーーーーうわーーーーーん!!!!!」

 ……泣き出してしまう。

 本当にいなくなってしまったと心配になるのだろう。


 さすが魔王様。かくれんぼにリアルを感じながら大人への階段を昇っているようだ。

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