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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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矢久の脳内会議 ~人のせいVS責任逃れ~

笑える内容じゃないと思います・・・

多忙中の息抜き

「台風一過だな」

「はい、昨日はすごかったですねー」

「朝起きたら九州まで飛ばされてたからな」

「うそこけ!!」

「いいんだよ。今日はエイプリルフールだからな」

「うそこけぇ!!!!」

「ほんとだぞ! 10月23日はエイプリルフールパート2なんだ!」

「うそこけぇぇぇぇ!!!!!」

「ウソではなくホラだ!!」

「意味は一緒ですーーーー!!!!」

「まぁとりあえずうちの傘立てが倒れてたのは本当だ」

「……えらく規模が小さくなりましたね……」

「まぁな、すごかったとはいえ、その程度の台風よ」

「でも矢久の街には避難勧告出てましたよ」

「マジか」

「これは本当です。深夜にね」

「誰が聞いてたというんだ……」

「たぶん市民の九割は気づいてないと思います」

「意味ねぇ……」

「いいんです。アレは別に本当に避難してほしいわけじゃなくて『万が一死亡級の災害であった場合、警報を鳴らしたか鳴らしてないかで行政の責任が問われるから、一応鳴らしておく』だけなんです」

「責任逃れというわけか」

「それ以前に、被害があればすべて行政の落ち度を探す昨今の風潮が、そうせざるを得ない状況を作ってると言った方がいいでしょうね」

「最近は全体的に落ち度を探されないことに必死だよな。危険だ危険だと言って、何かっていうと予防線ががんじがらめに張ってある」

「そうですねぇ。そういえば地元の小学校は今日が雨でも晴れでも『台風に備えて』休校だったらしいですよ」

「それも『それで万一子供に何かあった時に学校側が追及されないように』か」

「でしょうね」

「一切の危険に触れさせないように育ちきったガラス細工みたいな子供たちは、国際社会の荒波を乗り越えて行けるのかね」

「大丈夫です。乗り越えていけない時は人のせいにすればいいですから」

「人のせいVS責任逃れか」

「終いにゃ、『ミサイル飛んできましたので避難してください』ですからねー」

「どないせいっちゅーねん」

「いいんです。しろと言ったのにしなかったらそれは行政の責任じゃありません。自己責任です」

「なんかすごい世の中になってきたぞ」

「ゴジラが現れても、普通に避難勧告とか出しそうですよね」

「んな馬鹿な!」

「だって、しとかないと『何も言われなかったので逃げなかった』とか言い出す奴がいますよ絶対」

「でもどうなるんだ、実際ゴジラなんて……」

「ではやってみましょう」


『ゴジラがました。避難してください』(←警報)

「どこに逃げろっちゅーねん!!」

「指定の体育館です」

「ふまれて死ぬわ!!!」

『では時速200キロほどで北海道に避難してください』

「無理だぁ!!」

『一応護身用にマシンガンくらいは渡しておきます』

「効かねぇ!!!」

『弾幕薄いぞ。なにやってんの!!』

「どっかからネタパクるなぁぁ!! しかも戦えってかぁぁ!!!」


「まぁ、行政はマシンガンまで渡したことですし、できる限りのことを行ったので、後は自己責任です」

「しかし、そんなことがあったら、後日まだテレビ局が生きてたら『その対応は本当に正しかったのか』とか、これ見よがしに言い立てるだろうな」

「そもそもゴジラが現れたら行政じゃどうしようもないんです。そんなことを言い出すこと自体『人のせい』根性丸出しです」

「まぁ、全員が全員そういう根性じゃないんだろうし、主張が正当な場合と屁理屈な場合の境目が、他人にはわかりづらい部分もあるんだろう」

「そうですね」

「それがなおさら、責任逃れのための予防線になって日本人は甘やかされていくんだろうな……」

「なにかあったら人のせいにしなさい。そして自分のせいにされないように、あらゆる視点から危険回避のための結界を張りなさい……これが今の日本で生き抜く知恵ですね」

「いやな世の中だな……」

「だから、この駄文にも文句が来ないように予防線を張るべきなのです!!」

「どんな?」

「コノブンショウハ、ヤクガ、キョウハクサレテ、ムリヤリカカサレタモノデス。ホンニンニ、セキニンノウリョクハナイノデ、ドウゾヒハンハ、ゴエンリョクダサイ」

「それで大丈夫なのか?」

「法律上はこれでいけるはず!!」

「法律上オッケーならこんな理由でもいいのか!!」

「責任追及から逃れられればオッケーです」

「……ヒドい世の中だ……」

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