アイコス大戦争
魔王様(♀)のことを書こうと思ったのだが、「ちょっときいて」な話題見つけたのでそちらでGO。
アイコスはご存知だろうか。フィリップモリス社が出してる新しい過熱式タバコだ。
ライターで火をつけるのではなく暖めマシンみたいな本体にタバコを入れて吸う。
煙が出ない、においも少ないが売り文句で、普通のタバコに比べて有害物質を90%だかおさえたというシロモノである。
タバコ吸ってる人ならその存在は知っているだろうし、存在を知っていたら、これを巡って今、大戦争が繰り広げられていることも結構知られているのではないかと思う。
いまさら感が漂うネタだということだが、現場の話を聞いたんで、「ちょっときいて」といった感じだ。
とりあえず予備知識。アイコスは本体とタバコに分かれている。これ大事。
あれだ、プレステは本体とゲームソフト、どっちもないとゲームができないのと一緒である。その昔、ドラクエのソフトは手に入れることが困難で、希望者が多数ゲームをすることができなかった。
アイコスの場合は逆で、タバコはあっても本体がない。
理由はドラクエと同じ需要過多なのだが、ドラクエの頃とは事情が違うのは、最近は需要過多と知ると、転売師が沸いて出てくることだ。
今、結構な問題になっているようなので、調べてもらえばそれがどの程度で購入できて、どれくらい高値になって売られているかがわかるはず。話によれば、この転売で月400万だか儲けた転売師もいるらしい。
これが、たまたま品薄な本体を見つけて転売しているのならかわいい。実情はそうではない。
私の知り合いのアイコス販売店員某がした、現場の話を聞くとなまなましい。
そもそもアイコス本体の入荷日というのは店にすら事前に知らされないこともある。にもかかわらず、入荷日の入荷の時間になるとしきりに鳴り始める電話。同時に購入希望の来店者が店をうろうろし始める。
店も知りえない情報を知ってやってくる転売師たちが手馴れた手順で購入を希望すれば(アイコス本体は普通に店頭で買うと9800円だが、ある手続きをふむと半額近く割引される。初めての購入者はここで説明を求める者もいるくらいなのに、レジに並ぶ時にはすべてを用意して待っている)、アイコス本体は入荷から3分で完売してしまう。
そして、驚いたことにその日のアイコス本体が完売すると電話も鳴り止むらしい。
これはつまり、転売師は『(店も知りえない)入荷日』と、『店の在庫状況』を把握しているということに他ならない。
後者の実証に於いては、こんな例も挙げられる。
一度、店員某が馴染みの客に売るために在庫の一つを抱えて「売り切れました」と言ったらしい。そうしたら「在庫、一個あるでしょ?」と返答されたそうだ。
店側にしてみれば『何で知ってるんだ?』をいくつも垣間見ることができることであり、要するには店が持つネットワークから、情報を抜き出してる誰かがいるということになる。
関係者なのかハッキングなのか。
……それはわからないが、要するにアイコス本体の転売は個人の犯行だけではなく、かなり組織的な動きによるものも含まれるようだ。まぁ、400万も稼げるのなら、食指も動くのも無理はない。しかし、一般の希望者にしてみれば、品薄の本体を彼らが販売と同時に買い占めてしまうわけだから、そうとうに迷惑な話だ。
「なんか対策した方がいいんじゃねーの?」
とは言わない。
ただ、本当に、「金って魔物だな」と思う。
私自身も金はほしいといつも思ってはいるから、風紀委員のようなことはいえない。
が、なんていうか……人間ってのは何のために生きてるのか……こういう話を聞くにつけ、なんとなくやるせない。
いずれにせよこの一件、転売師たちの大勝利に終わるのか。はたまたどこかからの規制が入るのか。ナタデココのようにいきなり需要が減って大量在庫に転売師が泣くのか。
……アイコスを巡った転売師によるテロが、日本の水面下で静かに行われている。




