弁当箱の謎
第二子、"姫"の紹介も終えたところで、弁当箱の話をしたい。
「え?弁当箱?トルネコが妻から毎日もらって、そのまま道具屋に売られちゃうアレですか?」
……そんなツッコミしてくれる人がいるか分からないが、"弁当"としての意味はそれで間違いない。
ただし、今日の話は童謡にあるお弁当箱の話だ。
『これっくらーーいの おべんとばーーこに おにぎりおにぎりちょいとつめて』
……トルネコは知らずともこの唄を知らない日本人はおるまい。
この唄を子に唄って聞かせているうちに、ふと、ある疑問にたどり着いた。
いや、揚げ足を取るわけじゃないんだよ?まぁ、聞いてくれ。
まずはお弁当箱の歌から復習しよう。
♪これっくらーーいの おべんとばーーこに おにぎりおにぎりちょいとつめて
きざみしょうがに ごましおかけて にんじんさん さんしょうさん しいたけさん
ごぼうさん あなのあいたれんこんさん すじのとおった ふーき ♪
童謡なんて地方によってもちょっとずつ歌詞が違うから、少々歌詞が違っても気にしないように。
それを踏まえて問題にしたいのはここ。
『刻みしょうがに ごま塩かけて』
刻みしょうがに、ごま塩……?
…………
……
……その料理、なんだ?
刻みしょうがにごま塩かけて食す地方ってあるのか……?
少なくとも矢久の地方では聞いたことないし、スーパーやコンビニで刻みしょうがにごま塩かけたお惣菜が売っているのもみたことはないから、少なくとも一般的ではあるまい。
そもそも刻みしょうがってみじん切りか?千切りか?
一瞬、ご飯の付け合せなのかとも思ってみたが、この弁当箱のご飯は普通の白米が入っているわけではなく、おにぎりが握られている。おにぎりって普通、塩むすびでも中に具材を入れるでも、味をつけるものだろうから、おにぎりを作った後に付け合せは必要ないだろう。そういえばいなりずしは紅しょうがとゴマが入ってるものを作る家があるのを見たことがあるが、あれは酢飯だし、そもそも混ぜてある。
するとこの刻みしょうがにごま塩かける料理は、単体で存在することになる。
しょうが料理としては有名?な紅しょうがは初めから塩漬けされてある食べ物だから、塩をかけ加える以上、ここに用いられれているしょうがは普通の黄色いしょうがだろう。そして、わざわざレシピを歌ってるのだから、他の下ごしらえはないものと思われる。
すると、味付けのないしょうがに、胡麻塩をふった料理が、お弁当の一角を占めていることになるわけだ。
それは……うまいのか……?
ちなみにインターネットで調べてみると、いくつか該当する料理がヒットするが、オリジナル料理と言うよりは「お弁当箱の歌があるからやってみました」的なニュアンスを醸している。
つまり、「頼まれなきゃそんな単品料理はつくらない」様なシロモノだ。
もうね、歌だと思っていい加減なことを言われると、子供が信じるじゃないか。
ドラゴンボールZのオープニングから、
『頭空っぽの方が、夢詰め込める』
……だから、俺は勉強しないんだ、と豪語していた馬鹿が近所にいたことを思えば、そのヒガイは絶大である。
なーんて、膨らむ妄想を楽しみながら(?)、矢久の家では、時代遅れなのかフィクションなのか分からない童謡たちが、今も歌い継がれている。
あー、今度こういうネタでショートショート描いてみよう(笑)




