表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/226

魔王様(♀)その7

 魔王様(♀)は今日も悪の限りを尽くす。

「うわぁぁぁ!!! 階段の縁に立つのはおやめくださいませ!!!」

 転げ落ちたら大怪我をする。が、魔王様はそれをあざ笑うかのようにつま先だけちょっと階段から出してぎりぎりに立っていたりするのだ。

(ふふふ、召使いが恐怖におののいているわ……(←魔王ビジョン))

「うわぁぁぁ!!! 今度はティッシュペーパーを全部引き出し始めたぞ!!」

 みるみるうちに魔王様の周りが白く染まっていく。まるで血を一瞬で抜かれた死体の山だ。

(ふふふ、わたしにたてついた人間はこうなるのよ……)

「ああ!! 水が入ってるコップを思い切り縦に振るのはおやめくださいませーーー!!」

 しかも濡れた床をびしゃびしゃと叩きながら手でその水を塗りたくっていたりする。

「うわぁぁ!! たたんだタオルが全部たたむ前の形に戻ってるぞぉぉ!!!」

(そんなことは序の口よ……これならどう?)

 彼女はさらに、机の上にあったものをソファに移動させたりしている。

 ……が、もはやその程度の悪だと召使いは気付かない。せっかく動かしたのに……と、魔王様は不満もあるようで、わざわざ自分のやった悪行を指を差しながら怒っている。

 そしてそれを片付けてる隙を見て、魔王様は次なる破壊へ向かうのだ。

「わぁぁぁ!!! 紙の箱を食べてはなりません!!」

 ティッシュペーパーのボックスのような厚紙の箱はどこの家庭にもあると思うが、うちのそういう箱の角っこには軒並み穴が開いている。明らかに噛んだあとであり、その後飲み込めないものだからいつまでもモグモグ口を動かしているのでバレる。

「こらっ!(←素が出る召使い) お出しくださいませ! お出しくださいませ!!」

 おかげでその後、魔王様の口をこじ開けての格闘となる。が、魔王様は容赦なくその指を噛んでくる。以前書いたと思うが、魔王様の犬歯(八重歯?)は異様に尖っているので、この戦いは常に死を覚悟したものとなる。しかもいつも奇襲なので、気の休まる暇はない。


 悪い。悪すぎる。

 しかし一番怖いのは、そういう悪の限りを尽くしてどんどんハイテンションになっていって、

「あはははははははははははは~~~~~~!!」

 とか高笑いしながら、パタパタパターーーと調子に乗って、バターーンとかなって、

「たーーーれーーーかーーーあーーーるーーーーーー!!!!」

 ってなるのが一番怖い。

 膝とかすりむくと、もうすごい。

「たーーーーーーれーーーーーかーーーーー!!」

「目の前におります!!!!」

「たーーーーーーーーーーれーーーーーーーーーーかーーーーーーーーーー!!!!!」

「いや、だからあの……」

「全世界でお前以外のたれかーーーーーーーーー!!!!」

「そ、そんなヒドイ……」

 召使い1は物の数に入っていないのだ。

 ようやく召使い2がやってくると、

「あいつがやった!!!」

 みたいな恨みがましい顔でこっちを見ながら召使い2にだっこされておとなしくなる。

 自分が痛い目を見た責任をすべて召使い1になすりつけてしまうのだ!!


 悪い!!!

 悪すぎるぞ魔王様!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ