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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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在りし日の馬鹿たちの会話

「今度、中国行ってたHが帰ってくるんだって」

 その言葉がそもそもの始まりだった。

「あいつ結局なにしにいってたんだ」

「アレじゃない? カマキリ拳みたいなの覚えてきたとか……」

「あははは、なんか動きがおかしくなってたらおもしろいな」

「中国っていろんなのありますよね。ツル拳とか」

「五形拳だっけ」

 中国にはそういう拳法がある。動物の形をモチーフに五形それぞれに別々の動きをして相手を翻弄しながら仕留める殺人拳だ。たぶん。

「アレってあとなんですかね」

「蛇とかいた気がする」

「虎とか?」

「そうそう」

 カマキリ、ツル、ヘビ、トラと来た。真偽のほどはわからないがなんとなくそれっぽい。しかし五形というからにはあと一種足りないではないか。

「カバかな?」

「カバはないでしょう」

 だよな。

「足使う動物がいないですよね」

「カンガルー?」

 カンガルーはけんかをする時、両足で飛んで両足で相手を蹴り飛ばすドロップキックのような技を繰り出すらしい。

「人間がやっても弱そうですよね」

 ちなみにカンガルーぱ両足飛んでる際にしっぽが接地しているため、力強く蹴りだせるようだが、人間はそういう衝立ついたてがない分真上に飛んだドロップキックなどはあまり効果を持ちそうにない。

……っていうかツッコむとこそこなのか?

「そもそも中国にいないだろ」

「あ、そうですね」

 なにせ古代中国拳法の一つだ(たぶん)。交易も満足に行わない時期に外来種はありえない。

 つまりは、カバだのカピバラだのマナティだのという可能性は皆無なはずだ。

「エビとかですかね?」

「エビ!?」

 確かにちょっと強そうだけど、エビが擬人化どんな戦いをするというんだ。そう聞いてみれば、

「こぅ……」

 その人はぎこちなくエビの真似をしてみるが無駄にかわいい。とにかく弱そう。


……結局議論は紛糾?し、挙句答えは出なかった。思えばだれも答えを知らない(さらに言えば誰も調べる気もない)のだから、万が一当たりが出ていてもそれがおいてきぼりをくらってる可能性だってある。

というかそれ以前に先ほどノミネートされてたカマキリ、トラ、ツル……あとなんだっけ……だって本当に殺人拳に利用された極悪動物かはわからないのだ。

 マジメな議論になろうはずもない。


……しかたないので最終的にパンダということで落ち着いた。

Hがどのような動物拳を習得してきたのか、とにかく帰国が楽しみである。

「帰ってきたらパンダ拳やって! パンダ拳やって! って言いましょうよ!」

 その人は会話後、とても楽しそうだった(笑)。

ノンフィクションだからとりとめないけどスンマセン。息抜きなんで……(苦笑)


でも、全然違う五匹の動物の五形拳なんて、そのうちなんかのマンガのネタででてきそうダヨネ

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