議員定数削減
こんなとこばかり更新しても栓のないことなのだが、現在長編に取り組み中でしかも全編(少なくとも一チャプター)描き終わらないとアップできない性格のわたしは、自壊……もとい、次回更新がいつになるかメドがつかないので、とりあえず頭使わなくてもいいところをいじってみようと思った次第。
今度、市議会選挙があるらしい。
駅を歩いていると政治家っぽくない政治家が街頭演説している姿をちらほら見かける。
"政治家っぽくない"と言ったが、衆参議院に比べて、市長に比べて敷居が低いのか、「そのスーツはリクルートスーツですか?」みたいな……なんとなくキラキラしている方々が選挙を戦っておられる。
馬鹿にしているわけではない。いつの世も、新しい時代は若者たちの暴走から始まる。
ともあれ街頭演説。
「消費税は10%になります。しかしそれならばまず政治家が身を切る必要があります。わたしは議員定数削減を目指してまいります」
若者がゆえか、なんとなく人懐っこいというか、馴れ馴れしいというか、そういう口調で市民に語りかける演説者の目指す市のあり方は「議員定数削減」らしい。
おっけ、わかった。削減だな?まぁがんばってくれ。
……わたしは足も止めずに彼の前を通り過ぎた。
しかし今日の用事は銀行めぐりだ。
25日と聞けば同志もいるだろうからなぜかを説明する必要もなかろうが、いろいろな都合でわたしの場合四行回る必要がある。
ようするには駅の前をいったりきたりしたわけだ。当然スピーカー音量全開の彼の声はずっと聞こえている。
「今必要なのは議員定数削減なのです!」
そうか。無駄遣いはいけないからな。よろしく頼む。
~~5分後~~
「わたしは議員定数削減を行っていきたいと思います」
お……おう……。
~~5分後~~
「議員定数削減が……」
お前が言いたいことはそれだけかぁぁぁ!!!
素人がクチバシ突っ込むことじゃないとは思うが、市議会の任期は四年。その「ギインテイスウサクゲン」というのは確かに一大議題なのだろう。四年かかるかもしれない。もっとかもしれない。彼一人の力では難しいくらい大変なことなのかもしれない。
だが、お前がその四年という決して短くない時間を使って市のためにしていきたいことは市議会議員を減らすこと「だけ」なのか?若いパワーってそんなモンなのか?なんかもっとないのか?市を楽しくしていく方法。市民が「おっ、コイツが市議会動かしたらおもしろくなりそうだ」っていう、何かこう……輝くもの!
議員定数削減、確かに必要だろう。国政までいけば議員への給料のバカ高さは世界一だそうだ。そんなやつらが国会放送で居眠りしてるの見るとわたしたちが日銭稼いであえいでるのが馬鹿馬鹿しくて仕方なくなるが、ともかくそんな国費の無駄を削る……市政でいえば市民税の無駄をなくすのは、確かにあるべき姿の一つであろうことはわかる。
だが、隔靴掻痒の国政とは違い、市制はもっと直接的な影響が住民たちにある。
「こういうことがしたいから市政に参加したいんだ。この市をこれからこうやって盛り上げていくんだ!」という情熱が、おそらく国会よりもダイレクトに伝えられる立場なんじゃないかと思う。
そんな中で、使い古された公約「だけ」を武器にして戦おうとしているリクルート議員を見ていると、「お前本当に市政をしたくて議員になりたいんか?」と言いたくなる。
わかっている。あまり素っ頓狂なことを言うと後が大変だし賛否両論の振れ幅が広がるから無難な政策を挙げている部分もあるだろうし、そもそもバックのお偉方にそういうふうにしつけられているんだろう。
当たり障りのないことをやって、後援会がサポートすれば勝てる。そういう勝ち方がすでに確立されているんだろう。
しかしそんなサラリーマン議員たちばかりが並ぶ選挙で、なにを期待して選挙所まで足を運べばいいというのだ。そしてその意見が的外れでないことは、市民の数に対する有効投票数を見れば一目でわかる。
平たく言えば、誰が当選しても市民の多くは興味がない。
冒頭述べたように、若者の暴走が世の中を変える。それは歴史を見ても明らかだ。
ま、しかしまだまだしばらく変わりそうにないなと、「議員定数削減」を高々と連呼する街頭演説を聞いて思った。