9. 病院編 聖女流治療
前から時間が空き過ぎました!
すみませんでした!
...思っていたより深刻ではないのかもしれませんが、やはり解放しておく方が確実にシェルファ様のお母様の為になる...はず。この病院の設備では治らないような気がしますし...
「聖なる力よ...私に力を与えよ。そしてこの者の膵臓を癒やせ!クエンチ!」
前にも言いましたが、呪文を省略すると魔力の消費を抑えるのです。シェルファ様の場合はこれは無茶をすると死んでしまう!と急いでいたので、呪文を小声+爆速で発動しましたが助けたいという気持ちのお陰かシェルファ様も傷跡なく治せて本当によかったですわ!表面的にだけなら呪文を速くしても治るかもしれない...のですが、シェルファ様のお母様は深いので呪文をゆっくり唱えて魔力の質を高めてから解放したほうが治す確率が高い...はず。
「...これが聖女様の力...!?」
あら...?もしかして解放出来てない...?
「もしかして解放出来ていませんでしたか!?もう一度解放するので...!」
「いえ...そうではなくて...私が患っていた痛みが綺麗に消えたわ...!?」
良かったですわ...これでもし治っていなかったら私は確実に聖女失格ですものね。治療する相手に期待させて落とすのは本当に悪い聖女”だけ”ですものね。
「ソフィア様!!本当にありがとうございました!」
というシェルファ様が本当に喜んでいるようで目がキラキラと輝いている。もしかすると好奇心からの輝きかもしれませんが、私はそろそろ部屋へと戻らなくては...!
「シェルファ様のお母様、私はそろそろ部屋に戻らなくてはなりませんの。」
「聖女様!本当にありがとうございます!先程からシェルファの~という言い方で大変でしょうから今度から"リリィ"とでも呼んでください!」
とのことだった。シェルファ様のお母様であるリリィ様は無事膵臓癌を克服(?)した。
「じゃあね」と手を振るシェルファ様とリリィ様のいる病室を私は後にした。
「リリアン!!」
外に出るとそう声をかけられた。...?私はリリアンではないのですが...
「リ...リアン...?」
と私が否定できずに戸惑った声を出すと
「リリアン!?」
と言ってその男は抱き着いてきた。あの...普通に離れていただきたいのですが...その、お風呂入ってないので...臭いと思いますし...
「ずっと君を探していたんだ!リリアン!!」
「あの...先程から私に(?)向かってリリアンリリアンと連呼しておられますが...リリアン様とは誰のことでしょうか...?」
するとその男は血の気が引いたようにさっと顔色が悪くなった。
「申し訳ございません!!私の亡くなった妻に貴女が似ていたもので...!つい...彼女かと思ってしまって...!」
と彼は必死に説明していた。ようするに、リリアン様が亡くなってレックス様は鬱病に罹ってしまったそうで...治療は終わっているそうですが今日亡き妻によく似た私を見たことでリリアン様かと思ってしまったそうですわ。
「少しお待ちください。」
と私はレックス様に声をかけて呪文の詠唱を行った。
するとレックス様の顔色は良くなった。上手くいって良かったですわ。
「心が少し軽くなったような気がするよ。ありがとう」
そう言ってレックス様は去って行きました。
元々行く予定だった院長室に向かって進んでいきました。すると、院長室の中から「もう無理だ」という声が何度も聞こえたので私はノックをして中へと入る事にしました...正しくは無理矢理入る事になったのかもしれません...
「失礼いたします」
「何故!?何故聖女様が入ってこられたのですか!?早く出て行ってください!」
「はい、分かりましたわ。何か御用があれば私の部屋がある方の壁でも蹴ってくれれば私は何時いかなる時でも駆けつけますわ!」
そう言うと院長様は苦笑いをした。
「お言葉に甘えさせていつか呼ぶことにするよ、ありがとう」
院長様はそう言って言葉と違う行動であるが、院長様は私の背中をドアの方へ押していき、心配して来ていたはずの私は何故か院長室から追い出されたのだった。
...何で追い出されたのでしょうか...?
私何かしてはいけないことをしてしまったのでしょうか...?
「院長様!私、何かしてしまったのでしょうか?」
「私自身の問題だから少し部屋に戻っていてくれ!」
そう言われ半分以上追い出されていた院長室を本当の本当に完全に追い出されてしまった。
私は直ぐとなりにある私自身の部屋へ引きこもって傷や病気の治療練習を私自身の身体を使って練習するのだった。
追記:1/19 作品の話数のピリオドの後ろに半角スペースを足しました。