4. ノスコーヴァ伯爵家
「そ、ソフィア様!?先に連絡は無かったはずですが...急にどうしましたの?」
彼女はアリス様です!!私の伯爵家繋がりの数少ない友達です!
私は今回彼女に助けてもら...聖女の力を使って役に立つために...うん...そうよ?それより...
「アリス様!大きくなりましたね!私の身長も見ない間に抜かしてしまって...」
私より小さかったのに...と思うのです。私と彼女の歳の差は2歳...彼女の方が年下だけど抜かされたくはなかったのです...少しお姉ちゃんみたいな感じを保っていたかったので...うぅ...
「ソフィア様は身長が止まってしまったのですか?」
...それはそうでしょうとも...普通に婚約してる年だし...流石にまだ二十歳にはなってないけれど、成人はしてるわよ。メンデル皇子と婚約したのが10歳...メンデル皇子の事を考えていると吐き気が...うっぷ...
だから今は16?だったかしら...お母様の所にも長く会いに行ってなかったから1,2日前に会っただけでパーティーのような物はしてないから何歳か分からないわ...メンデル皇子は誕生日の際にも何もなかったわね...普通に仮にも婚約者なのだから誕生日おめでとうぐらいは言って欲しかったわ...私が強欲なだけかしら...?
「アリス様...私はもう16歳とかになっている身ですからもう身長は伸びませんよ?14歳とかまだまだ若いアリス様はもっと伸びると思いますわよ」
「そうでしょうか...最近体重が増えるばかりで私の身長が伸びていないのです...」
アリス様はそう言うが、体重が増えるのは身長が伸びる前の期間もしくは普通に太っているだけなので、体形が身長が伸びたスラっとした以外に基本的に変化のないアリス様は身長が伸びる前だと思いますわ...
「アリス様、体重が増えると身長が伸びることもあるらしいですわよ。バランス良く食べるとという前提条件がありますが...」
「ソフィア様...それは本当なのですか?」
キラキラとした目でアリス様が見てくるので私は大きく頷き、今まで以上に喜ぶアリス様を見ていた。
「ソフィア様...本題が遅くなりましたが連絡無しで私の家に訪れるということは何かあったのですか?」
「それが...」
アリス様にも同じことを話した。すると、アリス様は「あの国はもう無理ですわね」と言いました。どういう意味...国が滅びるという意味は解りましたが、私を国外追放しただけでどうして国が滅ぶのかしら...?
「どうして国が滅ぶのですか?」
「ソフィア様...聖女の力を使っているので土地を豊かにする...という力を持っていますよね?」
...最近は家の周りしか使っていない...即ちほとんど力を使っていないので忘れていましたわ...
「ありますけれど...私の魔力検査の際に豊かにしてから100年は持つと言われましたの...」
「そうでしたか...では100年は持つかもしれませんね...後一つ、宿泊する場所の無いソフィア様に提案があるのですが...」
「アリス様どうしたのかしら?私に出来ることなら死力を尽くしてするわよ!」
「私の母が育てている菜園の野菜や薬草が枯れてしまっているのです...もしよければですが、力を少しだけ解放してほしくて...もちろん私を家を宿泊場所として使ってよろしいですので...」
ふーん...もしかしたらアリス様のいる国自体が今は土地が駄目になってきているのかもしれないわね...
「いいですが少し時間がかかると思いますわ。もしかしたら国全体の土地が少しずつ駄目になっているかもしれませんので...」
「流石ソフィア様!!しかし、私の父に訊いた所、今の所は私の家の菜園だけが今のところは被害に遭っていると聞きました...もしかしたら誰かが故意に菜園を駄目にしているのかもしれません...」
それは一理あるかもしれないわね...アリス様の菜園"だけ"なら...
「ですが、もしかしたら他の所もそうかもしれませんので、アリス様の菜園に力を解放した後に国を少し回ってみようと思いますわ」
「ソフィア様っ!!有難うございます!!母も父も喜びます!!私の家の菜園まで案内します。こちらです。」
そうアリス様が言って連れて行ってくれたのは無惨に変わり果てた菜園だった。
「思っていたよりひどいですわ...」
私は土に手をかざした。すると、その真下から光りの柱が現れた。その光の柱の色は私以外には透き通った黄色...に見えるらしいのですが私はその土地や人がどのような理由でおかしくなっているか分かるのです...アリス様の菜園は何となく紫っぽく見えるので詳しく分析する。
「聖なる力よ...私に力を与えよ。そしてこの菜園を解析せよ!アナリシス!!」
すると今まであった光の柱が文字になった。手に文字が吸い込まれていく。
「アリス様...」
「今更だけどアリスで良いわ!」
と遮られた。
「アリス...残念だけど呪いがかかっているわ...それももしかしたら広範囲に...アリスの家に最初に現れただけで後2日、3日と経つと国に少しずつ広がっていくわ」
「嘘でしょ!?」
嘘を本当のように言う程、私は性格は悪くないと思う。
「今のうちに呪いを断つことが出来たらいいのですが...私が見た事のない呪いなので2,3日は必要です...国全体に最終的に力を解放するので...いいですか?私の力が及ばないばかりに...国の人達が苦しむかもしれないのです」
「ソフィア様、貴方がもし国外追放されずにこの国に来ていなかったら私達の国は滅んでいたのです。そう考えるとまだ良いと考えるのですが...」
「そうね...私は物事を全て悪い方向に捉えていたようだわ...部屋で少し考えたいから案内してほしいのですが...アリスお願いしてもいい?」
「こちらです!ソフィア様の部屋は私の部屋の隣です。」
そうやって案内してくれた部屋はまぁまぁの広さがあり、私は不自由なく過ごせそうだった。