14. パレント王国の内情
今回からパレント王国編です。
一応スティス王国との関係も交えながらですが
ソフィアの出番が少し少ないのが個人的に...
ソフィアがまだスティス王国内にいて、そもそもパレント王国に行こうと考えていなかったころ...
パレント王国内では混乱が生じていた。
昔から交易をしていたクリネラ王国で、農作物が全般不作になったのだ。
昔からあまり農作物が不作になっていなかったため、交易をしようと先代が決めて行い始めた交易だったため、パレント王国内では混乱と原因究明という二つに分かれていた。市民は市で農作物の値段が少しだけ上がっている事に関しては何も感じていなかったが、これは国の資金を崩して値段を下げているだけなので国の資金が底を突くと農作物の値段が前の4,5倍にはなると考えられている。今はクリネラ王国との交易を停止させている。まずは、スティス王国との交易を図ろうとした。
...同盟は結んでいるがこちら側からただただ何もしなかったのが駄目だったのかもしれない。
「スティス王、私はパレント王国の王のパレント=サビアでございます。どうぞお見知りおきを」
「パレント王、よくぞ来てくださった。名前も顔もお互い知っているはずなのだがな...私はスティス=サテルスだ。今回の御用件は何かね?私の方から声をかけないと一生何もしないままこの同盟が終わるのかと思っておったわ。お主からは一度も相談も何も来た事が無いからな」
と言ってスティス王は高らかに笑った。
「今回は交易を行っているクリネラ王国で農作物が不作になり、パレント王国内での農作物の値段が跳ね上がったのです。原因が分からず、将来自国の民が苦しむ事になると考えるとどうしようもなく...」
私がそう言うと、スティス王はクリネラ王国という名を出した時から少し顔が暗くなっていった。
「クリネラ王国...か。お主はクリネラ王国の第一皇子が聖女を婚約破棄し国外追放をしたという話は聞いたことがあるか...?」
と訊いてきた。聖女...?という聞きなじみのない単語を耳にして少し考えた後、結論を出した。
「聖女...は昔には多くいて今はもういないと言われておりますが本当にいたのですか?」
「ははは、そこまで固くなるな。いるのだよ、この世界にも。だが、今の所はこの時代には"一人"しかいないと言われておる。よく呼ばれる名は"世界唯一の聖女 ソフィア"と。本人には言うなとクリネラ王が言っていたそうで本人はこう呼ばれていることは知らないのだろうな。だが、この時代に自分一人しか聖女がいないというのは薄々知っているようだがな。」
そう言ってまた笑った。
「...聖女をクリネラ王国の第一皇子が聖女を国外追放したから農作物が不作になっているとでも...?聖女と言ってもそこまで土地の性質を変えることが出来るのか...?」
そう私が訊くと、何も知らんのかという顔をスティス王にされた
「私の国にも最近...いや、今だな。現在聖女が来ているそうだ。最近育っていた作物が急激に枯れたのだがそれをなかったようにしてしまったのだ。全て元通りとは言えないがほぼ元通りにしてくださったのだ。病院患者が最近増えていたのだがそちらも治してくださったのだ。感謝を言いに行こうと思っているのだが中々言う機会は無くてな...」
とスティス王は言った。
「聖女が来ていたのか。どんな感じの方なのだろうか...?」
「とても優しく人を見捨てないと民は言っていたな...しかし私自身が見ていないのであまり良く分からんがな。力だけは本物だ。」
と言う。私の国にも来てくださらないだろうかと考えていたがスティス王はまだ話を続けた。
「そういえばこんなうわさが流れていたな..."聖女がやってこようとした国には不幸が訪れる"と。私はそうは思わんがな。だが聖女が来る前に不幸はあった事は何も言えないのが事実だ。私が思うには聖女が不幸を運ぶのではなく、クリネラ王国の第一皇子が嫌がらせでしているのでは...と思うのだが。まぁ、一つだけ言えるのは聖女はどこに行くか分からん。そして何時去るのかも分からん。」
そう言ってスティス王は話を締めくくった。
「私の国にも来てくださらないだろうか...」
「ははは、私に言っても無駄だぞ?だが農作物が不作で民が苦しむのがお主は嫌だと言っておったな。まだまだ国自体は傾いておらぬ。今は私の国と農作物の取引をすればよい」
そうスティス王は言った。思っても見なかったが元々の目的がそうだったので、
「ありがたい。言葉に甘えて交易させてもらいたい。」
仮という形だが交易が決まり、農作物の不作で民が苦しむ危険性は少しだけでも減ったという事実に私は安堵するのだった。
スティス王と交易を結びなおしてから少し経った頃パレント王国に聖女がやって来たといううわさが流れ始めた。
「ここが...パレント王国...ですか?」
私ソフィアが見たのは農作物を育てるのには向いていなさそうな土地の国だった。
少ししゃがんで土を触ると水はけの良すぎる土が畑に入っていた。
「もう少しだけ水を蓄えることが出来る土でないと...」
聖なる力よ...と心の中で唱えた。少しだけだがまだ水を蓄えれそうな土となった。
だが、唱えた直後に急激に力が抜けていくのを感じて体が一瞬フラフラした。
最近使い続けていたので少し疲れているのではと感じて近くにあった家の人に近くに宿が無いかきくことにした。
総合ポイントが50Pを突破しました!
ありがとうございますm(__)m
投稿頻度が低くあまり見て下さる方がいないのでは?と感じていたので本当に嬉しいです!
追記:1/19 作品の話数のピリオドの後ろに半角スペースを足しました。