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涙の価値  作者: 纏-Matoi-
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第1話 「さよならと出会い」

私が彼と出会ったのは、今から5年前 私の母が事故で亡くなった時のことだった。


美希「お母さん…嘘でしょ?私をびっくりさせるつもりなんでしょ…?」

母 「………………」


美希「もういいよ?もう十分びっくりしたから だから起きていいよ…?」

母 「……………」


美希「ねぇってば!お母さん!」

刑事「吉瀬さん」


私の後ろに立っていた安達という若い刑事が声を掛けてきた。 その顔には、私を励まそうという表情が窺えるが、今の私には何も届かない…。 心にぽっかりと大きな穴が空いたような気分だ。


美希「お母さぁん...」


???「美希ちゃん」

美希 「えっ!!お母さん!?」


目の前に横たわる母の姿は、先程と変わらない。


???「美希ちゃんこっちよ」


背後から声がしたので振り返ると、そこには母の姿が...!


美希「亜希叔母さん!?なんでここに!?今はニューヨークのはずじゃ...」


そこにいたのは、母の双児の妹、倉田亜希さんだった。


亜希「美希ちゃん、そんなに泣いていると真奈(母)が安らかに眼れないわ」


亜希さんは、私の肩にそっと手を置いて静かに涙を流した。


パンパカパーン!!


その時どこからかラッパの音が鳴り響いた。


???「おめでとうございます! お二人の涙は超増ポイントに当選しました。 それぞれ一人ずつ2万ポイントの値が付きました」


突然現れたのは、細身で背の高い男だった。


亜希「勇くん、今はちょっと外してくれる?」

勇「いやいや、これは失礼しました。 つい癖が出てしまいましたよ。 それでは社長、私は外におりますので」


そう言うと男は、美希に微笑み部屋を後にした。


美希「亜希叔母さん、あの人は?」


男が部屋を出た後、私は亜希さんに尋ねた。


亜希「彼は森勇(もりゆう)くん。 私の下で働いてくれている子よ」

美希 「そうなんですか...でもポイントって?」


私の言葉に気付かなかったのか、亜希さんはお母さんに何か言葉を掛けていた。


亜希「そうだ!美希ちゃんこれからどうするの?」


帰りに亜希さんが送ってくれると言ってくれたのでその言葉に甘え、森が運転する車へと乗った。


美希「これから...どうしたらいいんだろ...」


母を亡くした私には、父も兄弟もなく、家に戻っても一人だ。


亜希「よかったら私の下で働かない?」

美希「...え?」


母の死から5年が経った今、私は亜希さんの下で働いていた。


美希「森さん、起きてください!!」

勇「………」


私の前では、今は上司となった森勇が、机に向かって居眠りをしている。


美希「………仕方ないなぁ…」


私は近くのテーブルにおいてあった灰皿を手に取ると、勇の後頭部めがけて振り下ろした。


鈍い音と共にへこんだのは、勇の頭ではなく、勇のテーブルだった。


勇「み、美希ちゃん、な、なにしてるのかなぁ?:(;゛゜'ω゜'):」

美希「森さんが起きないから、起こしてあげようかなって♪」

勇「いやいやいやいや!!起きるどころか永眠するとこだったよ!!?なに人の頭に鈍器を振り下ろしといて(♪)なんか付けてんだよ!!」


勇は、美希から後ずさりしながら言った。


美希「だって、森さん仕事なのに全然起きてくれないんだもん(〃`・н・´〃)ぷんすか」


その時、商談に行っていた亜希が帰ってきた。


勇「社長!!!助けてください!殺される(´;Д;`)!!」

亜希「ん?勇くん、また何かしたの?」

美希「森さん、また亜希さんがいない時に居眠りしてたんですよ(〃`・н・´〃)?ぷんすか」


美希が説明すると、必ず亜希は味方してくれる。


亜希「そう…、勇くん…」

勇「は、はい(*´▽`*;;)」

亜希「今月の給料が楽しみね♪」

勇「………そ、そんなぁ(´;Д;`)!!!?」

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